妹が好きで何が悪い４【プリレジェ】 (ページ2)

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ep33　京極竜ページ2

竜side

――次は絶対俺とデートな？――

兄貴の言った言葉がずっと頭を回っていて

それは次の日にまで俺の頭を埋め尽くした

なんでそんなこと簡単に言えるのだろうか

俺がもしAに同じことを言ったらアイツはどうするのだろうか

「ただいまー」

ガチャリと玄関の扉を開ければ、そこには既にAの靴があって

『あ、おかえり』
「ただいま」

合った瞳はすぐに逸らしてしまった

今日は兄貴が買い出し当番で、いつもならどうせ暇だし一緒に付いて行くけれど

今日はそんな気になれなくて先に帰って来たんだ

今ならAに言えるだろうか

今度、俺とデートに――

って、誘ったところでどこに行けばいいのかわかんねぇし

チラリとAを見ればリビングに座りながら何かを見ている姿が映って

覗いてみれば〝デザートビュッフェいちごフェア”とそこには書かれていた

いちご、好きだって言ってたよな

真剣にそれを見つめるAの後ろにしゃがんで

「行く？」
『ひゃあっ！！』

声を掛ければ物凄く驚かれた

『びっ、びっくりした……』
「どんだけ真剣に見てんだよ」

その姿に笑いが出て

「お、美味そう」

その手からチラシを奪えばいちごがたくさん使われたデザート達の写真が一面に広がっていた