妹が好きで何が悪い４【プリレジェ】 (ページ1)

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『ただいまー……！？』

家に入れば玄関に尊兄と竜ちゃんがいて思わずビクリと揺れてしまった肩

『た、ただいま…？』
「おかえり」
「おかえり」

明らかに不貞腐れている顔

『あの――』
「A」
『はい！』
「今日誰とデートしてたの？」
『……へ？』

思わず出てしまった間抜けな声と、何故尊兄は知っているのだろうか

『あ、えっと、デート、っていうのかな……』

奏さんにはデートと言われたけれど

「デートだろ？めちゃくちゃお洒落してんじゃん。ワンピース着てるし」

近付いて来た尊兄が私の手をそっと取って

『だ、だからワンピースぐらい』
「今度は俺とって言ったじゃん」
『だから』

近い――

グイグイと距離を詰める尊兄に狭い玄関では逃げることなんてできなくて

「誰？奏？」
『っ、』

ドキリと反応してしまった心臓

「俺が先に約束したのに」
『いやでも、』
「こんなに可愛いAを他の奴らにもう見せないで」
『っ』
「次は絶対俺とデートな？約束」

そう言って私の両頬を包んだ尊兄にコクコクと頷けば

「兄貴、そろそろ離れて」

竜ちゃんの声が耳に響く

「えー、竜にも見せるの惜しいなぁ」
「いや俺もう見てるし」
「あ、そっか」

尊兄が退けば未だ不機嫌そうな竜ちゃんが映って

『竜ちゃん……？』

何も言わずに中に入って行ってしまった