▽ ページ7
Aside
「あの人と知り合いなの！？」
あれから大学を抜けて訪れたカフェで机を挟んで前のめりになる美希の言葉は当然だった
『知り合いっていうか……』
あの奇妙な出来事を話さないときっと彼女は納得いかないだろう
それのせいで彼女へのお土産がバームクーヘンになったということもついでに話すいい機会なのかもしれないと私は口を開いた
「――え、運命？」
『ち、違う！偶然！』
「いやいや、だってそんなの運命じゃん！数ある店の中でたまたま、しかも京都で会ってまさかまた会うなんて」
それは確かに私も驚いたけれど、そんなのただの偶然だ
「それに、告白されたんでしょ？」
それはきっと私の聞き間違いかもしれなくて。だっていきなり好きだなんておかしいじゃん
「A、知ってる？この世には一目惚れという言葉があるのよ」
『知ってるけどっ……』
それは、ドラマとか漫画の中の話だ
それに一目惚れしていきなり告白だなんてどう考えたっておかしいんだ
「周防さん。いいなぁイケメン」
頬を両手で包みながら惚ける彼女は薄オレンジ色のライトが付いている天井を見上げる
周防さんと真島くん。彼らと別れる際、ちゃっかりと名前を聞いた美希にはさすがとしか言いようがなかったのだが、おかげで私の名前もあちらに知れてしまったのだ
でもそれでよかったのかもしれない
あの後握られた手は中々離してもらえず、真島くんが何度声を掛けても周防さんは無視をしていたのだ
それに耐えかねて私達も用があるのでと言えば更に強まった手の力に驚いた
どうしたらいいのか、多分あの時の真島くんと私は同じ気持ちだっただろう
そんな時、「お名前教えてください」と言った美希の一言によって、彼らの名前を知り
代わりに名前を告げれば緩んだ手に、咄嗟に自分の手を引いた
「あ、」という周防さんの短い声を聞いた気がしたけれど、それよりも今だと美希の手を掴んで
さようならと逃げるように去ったあの時の私は自分でもすごいと思う
「それで？どうするの？付き合うの？」
『え！？付き合わないよ、何言ってるの』
美希の発言に驚きながらも返して、つまらなそうにする彼女にカフェラテのストローを口に付けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
成田(プロフ) - 苹果飴さん» 初めまして！コメントありがとうございます！嬉しいです(´∀｀)遅れてしまいすいません！周防さん書かれてる方少ないですよね…皆様書いてくださらないかなぁと思いながら自給自足しております(笑)波乱、どうでしょうか(笑)これからも楽しみにしてくれると嬉しいです！ (2020年12月27日 9時) (
レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
苹果飴(プロフ) - 初コメ失礼します！ちはやふるで周防さん夢は少ないので嬉しいです！周防さんミステリアスな感じで素敵です！！！イチャイチャもそうですがもうそろそろ2人の関係に波乱な予感がしてきます...これからも更新頑張ってください！期待してます！ (2020年12月22日 23時) (レス) id: 22d7fafed2 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» ありがとうございます！このお話にはまだ続きがありますので楽しんでいただけたらなと思います☆イチャイチャもさせたいし、とにかく甘い周防さんが書けたらいいなと思っております( ´∀｀) (2020年12月17日 21時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
みき - 声が好きから入るなんて面白いですね♪早々にくっついてくれたのでイチャイチャが沢山見れるのかな？と期待しています。主人公も好きなタイプなので読んでて楽しいです(^^)ありがとうございました♪ (2020年12月16日 19時) (携帯から) (レス) id: 28e8727e1e (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです！周防さんかっこいいですよね！そして他の作品も読んでくださっているなんて嬉しいです〜季節ネタなども楽しんでいただけて、こちらこそありがとうございます！頑張りますのでこれからも読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年11月12日 1時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
