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Aside
『周、防さん……』
自分の喉から出る声が
彼の名前を呼ぶ声が
こんな声じゃなければよかったと思った
――好きだ
嬉しいはずなのに、ドキドキとしていたはずなのに今はその言葉を聞くのが辛い
『はな、してください』
もう出したくないこんな声
「やだ」
『っ…周、防さん……』
押した体と溢れた涙
「……Aちゃん…？」
『ごめ、なさい』
離れた周防さんの腕と伸ばした私の肘は彼の体を遠くに遠くに離して、俯く瞳から溢れた涙は落ちて地面に染みを作る
「どうし――」
『なんで……』
なんでこうなってしまったのだろう
「Aちゃ――」
『もう、嫌なんです…』
こんなこと言いたくないのに
『っ、周防さんは！…周防さんは、私の声だけじゃないですかっ…！』
ポロリポロリと落ちる涙は止まらなくて
『私の、声だけが…声だけが好きなんでしょう……？』
感情を吐き出せば、喉の奥が詰まってしまって
これ以上一緒にはいたくないと、朧げな足取りで歩き出せば掴まれた手
『っ、』
それはしっかりと握られていて歩き出した周防さんに引っ張られるように足が動き出した
――周防さん
彼の名前を呼ぼうとした声は詰まって音を出すのをやめる
どこに行くつもりだろうか、彼の背中を見上げてもわからないしそれを聞くのも怖い
車のクラクションの音、自転車のブレーキの音、すれ違う人の声
時々止まったり、歩く速度が急に遅くなってまた戻ったり
『ッ――周防さん！』
出したくないと思っていた声は
腰ぐらいに位置する目の前の看板にそのまま歩みを進めようとした彼の腕を引っ張って止めた
『大丈夫、ですか…？』
振り返らない彼を見上げる
『周防さん……？』
もしかしたら彼は私に怒っているのかもしれない
この間突然帰ったことも、あれから彼の連絡を無視し続けていることも
私が感情をぶつけたことも――
『周――』
「僕の目は―――多分、見えなくなる」
『……え？』
突然の周防さんの言葉が理解できなくて、振り返った彼と合った瞳
「遺伝性の病気でね。もう、結構視界が狭くなってきているんだ」
なに、言ってるの……？
「かるたももう――引退しようと思っているんだ」
彼の口から紡がれる言葉を理解するのに私の脳はとても、とても時間がかかった
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成田(プロフ) - 苹果飴さん» 初めまして！コメントありがとうございます！嬉しいです(´∀｀)遅れてしまいすいません！周防さん書かれてる方少ないですよね…皆様書いてくださらないかなぁと思いながら自給自足しております(笑)波乱、どうでしょうか(笑)これからも楽しみにしてくれると嬉しいです！ (2020年12月27日 9時) (
レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
苹果飴(プロフ) - 初コメ失礼します！ちはやふるで周防さん夢は少ないので嬉しいです！周防さんミステリアスな感じで素敵です！！！イチャイチャもそうですがもうそろそろ2人の関係に波乱な予感がしてきます...これからも更新頑張ってください！期待してます！ (2020年12月22日 23時) (レス) id: 22d7fafed2 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» ありがとうございます！このお話にはまだ続きがありますので楽しんでいただけたらなと思います☆イチャイチャもさせたいし、とにかく甘い周防さんが書けたらいいなと思っております( ´∀｀) (2020年12月17日 21時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
みき - 声が好きから入るなんて面白いですね♪早々にくっついてくれたのでイチャイチャが沢山見れるのかな？と期待しています。主人公も好きなタイプなので読んでて楽しいです(^^)ありがとうございました♪ (2020年12月16日 19時) (携帯から) (レス) id: 28e8727e1e (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです！周防さんかっこいいですよね！そして他の作品も読んでくださっているなんて嬉しいです〜季節ネタなども楽しんでいただけて、こちらこそありがとうございます！頑張りますのでこれからも読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年11月12日 1時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
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