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安藤くんと初めて会ったのは入社式の時だった
憧れのプロジェクト課野口貴弘のチームに"ちゃんと"選ばれた人
それが野口さんの口利きだろうが野口さんが彼と働きたいと選んだのだから同じようなものだ
叔父に頭を下げてコネでどうにか入った私とは違う
入社後の安藤くんは野口さんが仕事を一緒にしたいと思ったというのも納得するくらい熱心で
そんな彼を尊敬すると同時に負けたくないとも思った
誰よりも努力して、コネだからなんて言われないように
けれど――
「AさんってK商事の専務と親戚なの?もしかしてコネ入社だったり」
へらへらとした笑みを浮かべた先輩の言葉が、まるで私の全てを否定されたように感じて
「なんで何も答えないの?もしかして本当に――」
「先輩、さっき部長が探してましたよ」
その時、凛とした声が響き渡って。安藤くんだった
去って行く先輩に
「ん?どうした?」
とぼけた顔をする安藤くんは本当に偶然だったのかもしれない
それでも彼に助けられたような気がして
『ありがと…』
「何が?そういえばAって理系?どこ大出身だっけ」
『〇〇大学。文学部英文科よ』
「文系かぁ」
後にその先輩は仕事が合わなかったとかで退社してしまったから私の事情なんて誰も知る人はいなかったけれど
その日から安藤くんに対して抱く気持ちが変わった
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成田(プロフ) - ユキトさん» こんにちは。コメントありがとうございます!!胸きゅんしていただけましたか!そう言ってもらえるととても嬉しいです☆ありがとうございます!! (2022年1月24日 21時) (レス) @page12 id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - めちゃめちゃ胸きゅんしました!どらま、はまってからこんな展開理想的だったので嬉しいです!笑 (2022年1月24日 2時) (レス) @page12 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
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