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「野口さんのことで会社の奴らに色んな噂されていた時もAだけは違ったよな」
それは、きっと貴方に好意があったからだ
「あの僻地ももしかしたら俺の代わりに行った…?なんてそれは考え過ぎか」
『どうしたの安藤くん。なんか今日の貴方、変よ』
「一人でなんでもできちゃうようなAがブラックコーヒー飲めなかったり、動物飼いたいけど忙しくて飼えないからって携帯の画面が猫とかさ」
『そんなところ、見ないでよ』
「はは。すっげぇ努力家なところとか。誰にも負けたくないっていう精神とか、素直にすげぇなって思うし」
『それは貴方だって――』
「クソみたいな得意先に嫌なことされても平然としていた裏で泣きそうになってたり」
思い当たる節にあぁあの事かと、まさか見られていたなんて溜息が出る
「もっと俺のこと頼って来いよって思った」
彼の眉根に皺が寄る
「だからって、それだけじゃないけど…もっとAと一緒に居たいなって思ったんだよね。一番近くにいたいなって」
彼から紡がれる言葉は私が一番欲しかったものだ
これが現実だなんて信じられなくて
「だから、結婚したいなって思った」
『っ……』
「いい奥さんになりそうだよなA」
『わ、たし……料理は苦手よ』
「でも努力するって知ってるよ」
『可愛げだってないわ』
「俺は十分あると思うけど」
『あとは――』
「何年一緒に仕事してると思ってんの?Aのことはだいたいわかるし、俺の知らないAももっと知りたいって思ってるよ」
『ッ――』
「Aが好きなんだ。俺と結婚を前提に付き合ってもらえませんか?」
滲む視界は簡単に一粒の涙を零して
「え!?ちょ、A!?」
慌てた様子の安藤くんが私を覗き込むように視線を合わせる
「なんで泣いてんの」
『ごめ、なさい…嬉しくて……』
そう言えば
「Aの泣いてるところ、初めて見た」
柔らかく笑った安藤くんは優しく私の涙を拭った
fin
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最終話にして全然入りきらず区切りが本当にすいません
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成田(プロフ) - ユキトさん» こんにちは。コメントありがとうございます!!胸きゅんしていただけましたか!そう言ってもらえるととても嬉しいです☆ありがとうございます!! (2022年1月24日 21時) (レス) @page12 id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - めちゃめちゃ胸きゅんしました!どらま、はまってからこんな展開理想的だったので嬉しいです!笑 (2022年1月24日 2時) (レス) @page12 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
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