▽ side Aoi ページ19
葵side
あれから近くの蕎麦屋で遅めの昼食を済ませ、いくつか連なる店を見て回った
そろそろ車に戻ろうかと歩いていれば
『あれで隠れているつもりかしら』
彼女の言葉にふと向けた視線。そこには草陰に隠れ切れていない金髪がいて
ここは隠れる場所が少ないのか丸わかりだった
『盗撮も程々にしてほしいわ』
「すいません。後で言っておきます」
『いいわよ別に。でも…いつも彼が一緒よね…』
ポツリと呟いた彼女の言葉に、今更ながら気が付いた
確かにそうだ。彼女の言う通り彼女と出かける時はほとんどガブリエルが一緒にいた
それが当たり前すぎて何故今まで気付かなかったのだろうか
『？葵様？』
「あぁ、すいません」
別に彼女がそう望んだわけではないけれど、彼女と二人きりになりたいだなんて過ってしまった思考
不純、かもしれない
けれど
「ガブリエル、帰りは助手席に乗ってくれませんか？」
車の前でドアを開ける彼にそう言った
「かしこまりました」
『葵様、私は別に』
「たまにはいいかなと思いまして」
そう言って彼女を促して一緒に後部座席へと座ると、バタリと閉まったドア
別になんてことはない
すぐ前にはガブリエルと運転手がいて二人きりの空間というわけではないのにいつもより少しだけ速い鼓動
『葵様、今日はありがとうございました。とても楽しかったわ』
「それはよかったです」
発車した車にそう言うと
『でもなんだか疲れたわね』
大きな瞳を閉じた彼女
「日光にも浴びてましたしね」
『えぇ。少し寝てもいいかしら』
「えぇ。着いたら起こしますよ」
何も言わなくなった彼女は眠りに入ったのだろう
家に着くまで時間はたっぷりあるし、ゆっくりと眠れる
彼女を見れば閉じられた瞳に横顔もやっぱり綺麗で、口を開かなければ誰もが羨むお嬢様だ
そんな彼女から視線を落とせば視界に入った華奢な手
彼女と出会って何度手を重ねてきただろうか
今は外じゃないけれど、歩いているわけではないけれど
その手に触れたくて、彼女が眠っていますようにとそっと握った
するとまだ眠っていなかったのか、反射的にかはわからなかったけれど、彼女の手はそっと僕の手を握り返した
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成田(プロフ) - yakyu824さん» コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまいすいません！キュンキュンだなんて嬉しいです〜続き頑張ります( ´ ▽ ` )！ (2022年2月19日 8時) (
レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
yakyu824(プロフ) - 続き待ってます！！めっちゃキュンキュンしちゃいました( ¨̮ ) (2022年2月13日 17時) (レス) id: be43918e80 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - りなさん» あぁ…そんなことを言ってくださるなんてほんと嬉しいです…！！！頑張ります！！（泣） (2021年5月20日 21時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - 成田さんの書くお話はどれも面白くて大好きです!特にMauveが好きで更新楽しみにしてたんです(*^^*)いつも楽しいお話ありがとうございます! (2021年5月20日 14時) (レス) id: 6f526db43c (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - りなさん» 嬉しいコメントありがとうございます！！！(泣)待っててくださっていたなんて…！これからも頑張ろうって気持ちになりました！ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年5月20日 14時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
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