25 side you ページ16
赤に金色の模様が入った簪はとても艶やかに光っていて
――それでも貴女に似合うと思ったから――
彼の言葉が頭から離れなかった
建前でも私に似合うと彼が選んだんだ
たかが簪でたかが彼のその一言で、こんなにも簪を見つめているなんて私は一体どうしたのだろうか
「A様、葵様がお迎えに――簪がどうかされました？」
アキエさんの声にビクリと揺れた体に、見れば彼女が部屋のドアを開けていて
『べ、別にどうもしないわ』
「付けられますか？」
『いいわよ、制服に簪なんて合わないし』
「さようでございますか」
手にしていた簪をそっとテーブルの上に置いた
「あ、A様、おリボンがまだですが」
『え？あ、あぁ、そうね』
「お付けいたしますか？」
『えぇ、お願い』
忘れていたわけではないけれど、ただなんとなく付ける気力が起きなかったいつもの白いリボン
アキエさんにそれを渡せば、いつものように付けたそれにお礼を言って
部屋を出ると彼が待つ玄関へと急いだ
『遅くなってごめんなさい』
昨日初めて彼の前で流してしまった涙はやっぱり恥ずかしいもので
しかも理由が理由だから余計に恥ずかしい
馬鹿にされても文句は言えないと意気込んでいたのだが
「いえ。おはようございます」
案外普通だった彼に少しだけホッとした
『おはようございます』
挨拶を交わしていつものように一歩踏み出そうとすれば
「今日は、学校をお休みしませんか？」
彼から出た意外な言葉
「まぁ無理にとは言いませんけど、もし何もなければ休んでデートはいかがかなと」
『い、行きたい！』
考えるよりも先に出た返事は私にしてはおかしかったかもしれない
けれど
「よかったです」
柔らかく微笑んだ彼
「では――」
『着替えてくるわ！少しだけ待って頂戴！』
持っていた鞄をアキエさんに押し付けて部屋へ走って行った
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成田(プロフ) - yakyu824さん» コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまいすいません！キュンキュンだなんて嬉しいです〜続き頑張ります( ´ ▽ ` )！ (2022年2月19日 8時) (
レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
yakyu824(プロフ) - 続き待ってます！！めっちゃキュンキュンしちゃいました( ¨̮ ) (2022年2月13日 17時) (レス) id: be43918e80 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - りなさん» あぁ…そんなことを言ってくださるなんてほんと嬉しいです…！！！頑張ります！！（泣） (2021年5月20日 21時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - 成田さんの書くお話はどれも面白くて大好きです!特にMauveが好きで更新楽しみにしてたんです(*^^*)いつも楽しいお話ありがとうございます! (2021年5月20日 14時) (レス) id: 6f526db43c (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - りなさん» 嬉しいコメントありがとうございます！！！(泣)待っててくださっていたなんて…！これからも頑張ろうって気持ちになりました！ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年5月20日 14時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
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