ep13 久遠誠一郎 ページ5
誠一郎side
最近、奏は彼女のことばかり話すようになった
彼女の好きな食べ物はなんだとかそんな小さなことまでだ
それにたまに放課後ピアノを教えているみたいで、奏はその時間がとても好きだと言っていた
悪い人物ではないとはわかっているが、正直俺の中ではまだモヤモヤとしたものが残っているのは事実だ
そんな彼女に罪滅ぼしだと理由を付けてでも本を貸すと言ったあの時の俺はやっぱりおかしかったのだろうか
たまに図書室で本を読む彼女を見て、もうすぐ最終巻を持って行ってやろうかと思ってしまった俺はやっぱりおかしいのだろうか
家の本棚に並べられた小説の背表紙
そんな約束、もしかしたら彼女は忘れているかもしれないと
過った思いに掛けていた指を下ろした
たかが小説だ
待てば学園の図書室にも最終巻がそのうち来るだろう
俺が貸すことはない
何考えているんだと自分に言い聞かせて今日もそれは家の本棚に入ったままだった
そんなある日
奏と別れ一人廊下を歩いていると、向こうから歩いてきた彼女
こういう時は向こうが会釈してお互い通り過ぎるのがいつものことだった
けれど
『久遠さん!!』
俺と合った瞳はキラキラと輝いていて
こんなことは初めてだ
俺の目の前で止まって、俺だけに向けられた瞳にドキリと心臓が鳴った
「どうした?なんか嬉しそうだな」
『小説!!すっごい面白くて、いいところで終わりますね!これ!』
ふと見れば彼女の手には小説が抱えられていて、最終巻の一個前だ
「それ、もう全部読んだのか?」
『はい!それで、前に久遠さんが最終巻貸してくれるって言ってたなぁと思って』
「…あぁ、言った。かもな」
『図々しいですかね、なんか』
遠慮がちに言った彼女に嫌な気持ちなんて一切しなくて
「明日、昼休み図書室に持っていく」
『本当ですか?ありがとうございます!』
楽しみだと嬉しそうにする彼女に心臓がまたドキリと鳴った
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成田(プロフ) - 千さん» はじめましてこんばんは!凄く好きだなんて嬉しいコメントありがとうございます!最近更新がゆっくりでして、お優しい言葉とても嬉しいです。やっと2が終わり、3に続けることができましたのでまたお時間ある時にでも読んでくださると嬉しいです! (2020年6月14日 1時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 凄く好きで読んでいます。楽しみに待ってますので熱中症などに気をつけて頑張ってくださいね。ゆっくりで大丈夫ですので待ってます。 (2020年6月13日 9時) (レス) id: 5f39613bed (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» みきさんコメントありがとうございます!クッキーのくだりもありがとうございます!そう言っていただいて嬉しいです☆そして今日は誰と何をする?も読んでくださってるんですね!凄く嬉しいです!こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます!とても活力になります! (2020年4月19日 0時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
みき - クッキーを貰った奏様と兄弟には笑わせてもらいました(^^)今日は誰と何をする?も楽しませてもらっています。ステキなお話ありがとうございます♪ (2020年4月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 28e8727e1e (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» はじめまして嬉しいお言葉ありがとうございます!どう出会わせるか色々と考えたのでとても嬉しいです!毎日がドキドキな主人公さんが今後どうなるか楽しみにしていただけたらなと思います! (2020年3月23日 23時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
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