妹が好きで何が悪い２【プリレジェ】

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あれから家に帰った私はすぐに自分の服に着替えた

本当は着替えるのが惜しくていつまでも着ていたかったが、誰かに見られて説明するのも恥ずかしかったし汚してしまうのが怖かったからだ

別れ際に着物は差し上げますと彼は言ったが、こんな高級なもの貰えない。だから後日お返ししますと応えれば彼は不服そうな顔をしていた


真っ赤な芍薬の花も髪から取って

綺麗に咲いているそれにまるで夢のようだったと思い出す

綾小路葵さん

ロイヤルフェニックスに通う奏さんとは違うタイプのお坊っちゃまだった

聖ブリリアント学園だと言っていたけれど、ロイヤルフェニックスと同じような感じの学校だろうか

空いた小瓶を探してそこに水を入れて、綺麗に咲き誇る芍薬を長く咲きますようにと願って飾った

すると


「ただいま」
『ひゃ……お、おかえり……』


突然声がして振り向くと後ろに尊兄がいて


「何びっくりしてんだよ」
『ううん、なんでもない』
「お、花」
『あ、うん。今日貰ったの』
「ふーん」


そう言って隣に座った尊兄と合った瞳は、この間のキスを思い出させてドキリと心臓が鳴った


「なぁ、A」
『あ！もうご飯作らないとだよね！』


少しわざとらしかったかもしれないが、今の私にはこれしか思い浮かばなくて

立ち上がると先に一人で部屋を出た

意識し過ぎたかもしれない

あんなのただの間違いだったのに


「あ、A。ただいま」
『竜ちゃん……おかえり』


廊下を歩いていれば竜ちゃんがいて


「なんかあった？」
『ううん、なんにも』
「そ？」
『うん』
「顔、少し赤い」


そっと指で触れられた頬に


『そんなことないよ』


余計熱くなった頬を誤魔化すように歩き出した

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