妹が好きで何が悪い【プリレジェ】

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玄武高専と書かれた門をくぐって校舎に一歩踏み入れれば、そこは私の想像以上の光景が広がっていた

廊下には黒、黒、黒

嫌なほど真っ黒い学ランを着たいかにも怖そうな人達がこちらを睨んでいる

やっぱり無理だ、帰りたい

怖くて、横にいた竜ちゃんの制服をぎゅっと握った

すると


「「「おはようございます！！」」」


いきなり頭を下げだした怖い人達

それに「おはよう」と返して歩く尊兄は一体何者なのだろうか……


「な？だから兄貴に付いて行けば大丈夫だって言っただろ？」


フッと笑う竜ちゃんに意味がわからなくて

目の前を歩く尊兄はもしかしなくても物凄い人なのかもしれないと思った


「女！？」
「え、尊人さんの？」
「いや、竜さんの？」


そんな声が聞こえて痛い程に刺さる視線に体が強張って


「あぁ、俺らの妹」


尊兄の一言で納得したのか少しだけやんわりとした空気が流れる


「お前ら間違っても手ェ出すなよ」
「わ、わかってますよ！そのくらい」
「だよな！それにしても妹さん可愛いっスね」
「だろ？」


そう言って笑った尊兄が振り返ってバッチリ合った目


「どうした？A」
『え！？あ、いや』
「あ、もしかして怖いか？」
『いや、ちが』


ここにいる人達を前にしてなんで本当のことを言うのかと思ったけれど


「大丈夫だって。ほら」


そう言って差し出された大きな手に、掴んでいいものなのだろうかと思いながらそっと重ねればぎゅっと握られた手


「な？平気だろ？」


ニッと笑った尊兄に不覚にも心臓がドキリと音を立てた

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