ep9 Teamネクスト-天堂光輝 ページ39
竜ちゃんって、もしかしたらブラコンだしシスコンなのかもしれない
という考えがふと頭に浮かんだ
事あるごとに兄貴兄貴言ってて尊兄のことが大好きなのは凄くわかるし、きっと兄弟というものを大切にする人なんだ
昨日のもきっとそう
確かにハルさんチャラチャラしてて危なさそうに見えるし、だから守ってくれようとしたんだ
いや、思えば竜ちゃんだけじゃない。尊兄も兄弟を大切にする人だ
兄弟がいなかった私にはわからないけれど、きっと彼らにとって私もその中の一つなんだ
「毎度あり!」
お肉屋さんからお肉を受け取って商店街を歩き出した
今日の夕飯はすき焼きで、それを聞いた瞬間そこにいた全員が喜んだ
勿論その中に私も入っているわけで。すき焼きなんて何年振りだろうか
母と二人きりの食事では中々やる機会がなかった
あかりさんから預かった買い物リストをもう一度確認して、これで最後だと家へと急ぐ
いつも送ってくれる奏さんには一緒に行くと言われたが、悪いので断った
商店街を抜けて、通りを通って、近道に公園を抜ける
家族が多いからきっと戦争なんだろうなとそんなことを思っていれば、ビリッという嫌な音がして急に軽くなった袋
『嘘でしょ……』
ごろんと道に転がった白菜や玉葱。それを皮切りに椎茸やパックの豆腐も出てきちゃって
『最悪……』
急いでしゃがんでとりあえず手に持てるだけ持とうとすれば
「大丈夫ですか?」
ふとした声に見上げると赤色の髪をした男の子がそこにいた
『あ、大丈夫です』
「手伝いますよ」
『あ、いや、でも』
悪いなと思ってそう言ったのだけれど、落ちているものを全て拾った彼
『すいません、なんか』
「いえ。これ、どうします?」
『えっとー……どうしましょうか』
お肉の入った袋は小さいし卵の入った袋も入らなそうだし、このまま手で持って行くのも……
「よければ俺、家まで持って行きましょうか?」
『え!?いやいやそれは悪いので大丈夫です!』
親切な彼に断りを入れて尊兄か竜ちゃんに迎えに来てもらおうかと携帯を取り出した
「あ、じゃあ俺袋貰って来ます!」
『え!?』
「そこ、近くにコンビニあるんで!ちょっと待っててください!!」
『あ、ちょ、ま――』
止める私の声なんて届かなくて、走り去ってしまった彼
なんだか申し訳ないことをしてしまった気分だった
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天堂光輝迷子が過ぎる。すいません
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成田(プロフ) - 綾瀬さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも頑張りますので、また読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬 - 毎回とても楽しみです。頑張ってください (2020年1月3日 19時) (レス) id: 006049a680 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。ご指摘ありがとうございます!「ら」が抜けていましたね!直しました! (2019年10月19日 22時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんにちは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ep.4 Team奏▽ページ20のここの部分 何これ、私もはけた方がいいのだろうかと頭の隅でそんなことを考えなが応えれば これ正しくは考えながらではないんでしょうか? (2019年10月17日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。コメントありがとうございます、読んでいただきありがとうございます!本日更新致しましたので、また読んでくださると嬉しいです★ (2019年6月2日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
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