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どっと疲れが襲ってきて、滑るように床に座り込んだ。
そのままベッドの端に体重を預ける。
静かな部屋では、彼の規則正しい息遣いしか聞こえない。
『私も、帰るか。』
誰に言うわけでもなくそう呟いて、私は立ち上がろうと床についた両腕に力を込めた。
────
その刹那、髪の毛が引っ張られた。
驚いて眠るはずの有岡くんの方をみると、焦点の定まらない目で私を見る彼がいた。
『起きたんですか?』
彼は私に応じる様子なく、ただこちらを見つめている。
目が据わっていて、妙に色っぽい。
『飲みすぎですよ。私、帰りますね。』
そう言って再び立ち上がろうとすると、私の背に彼の手が回る。
そのまま強い力で彼に引き寄せられ、抵抗も惜しく彼の胸の中に収まってしまった。
『ちょ、あの、酔ってます?』
「帰んなよ。」
悲しみが混ざったような声色。
直後視界が反転した。
『や、』
有岡くんは私の上に覆い被さるよう体制を変えた。
じたばたと暴れる私を無視して、彼の脚が割り込んでくる。押さえつけるように頭の横には手が置かれ、身動きすることすら難しい。
─────逃げられない。
回らない頭を置いて、体はどんどん熱を帯びていく。
心拍数が上がるのと同時に私と彼の距離は縮まっていった。
・
「ずっと、ここにいてよ。」
瞬間、距離はゼロになった。
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himawari(プロフ) - 有岡担さん» 1年越しのレス失礼致します。ありがとうございます!とても嬉しいです!まだHey! Say! JUMP好きですか?良かったらまた見てくださいね! (2021年11月2日 23時) (レス) id: bbb7ea1a79 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - はじめまして!あの、このお話を見たときにもう最高かと思いました!続きも待ってます。 (2020年7月31日 16時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - マリナさん» マリナさん、コメントありがとうございます!頑張ってかきたいと思います! (2019年1月31日 19時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
マリナ(プロフ) - 初めまして!一気に世界観にハマってしまって主人公ちゃんの幸せの続きが気になりました!更新待ってます! (2019年1月30日 4時) (レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - maimaiさん» ありがとうございます!普段は読まないのに、読んで下さってるっていうのは本当に嬉しいです!!つい更新してしまいました...! (2019年1月21日 8時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:himawari | 作成日時:2018年8月25日 21時