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彼の服を掴んだ手が震える。
ついに漏れてしまった声に、こちらをみる彼の瞳がかすかに揺れたのが分かった。




 
もう、後には引けない。




 
はじめて、彼の心を動かせた気がした。
堰を切ったように話し出す私に彼は視線を落とす。
 
 





 
 
『今行かなくてもいいでしょ?もうこんなに遅い時間なのに。』
 
「でも…」

『明日でもいいじゃないですか。』

「…いや、今行かないと」

『私のこと一人置いていって、真奈の所にいくんですか?』
 


 
 


煮え切らない返事をする彼に、次々と黒い言葉が浮かんでくる。

それ以上は言うな。
そう警告されているのに止まらない。






『真奈には、旦那さんがいるんですよ?』

「…わかってる」





 

 だめだ。
言ったら傷つけるってわかってるのに止まらない。





『真奈は大貴くんのこと好きでもなんでもないんですよ。』

「…わかってる」

『ただの幼なじみだから頼ってるだけなんですよ。』

「…わかってる」

『わかってないです!!』
 

















言っちゃだめだってわかってるのに、なんでだろう。










 『大貴くんは真奈に利用されてるだけなんですよ!』
 

 
 


 
彼を止めずにはいられなかった。
 
 
真奈を想い、辛そうな彼をみてきた。
そんなのもう見たくなかった。



分からない。
こんなのは言い訳で、ただ傍にいて欲しいだけかもしれない。






ただ、今だけは行かないでほしい。





涙の溜まった瞳で、必死に彼を見つめる。
 



 
『大貴くんが真奈の為に傷つく必要なんてないはずでしょ?』
 
 
 
 
声が震えた。上ずった。
彼のパーカーを掴む手に力がはいる。
顔を見ることがなんてできない。




視線をおとした先のコンクリートにいくつものしみができていった。
 
 
 
 
 

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himawari(プロフ) - 有岡担さん» 1年越しのレス失礼致します。ありがとうございます!とても嬉しいです!まだHey! Say! JUMP好きですか?良かったらまた見てくださいね! (2021年11月2日 23時) (レス) id: bbb7ea1a79 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - はじめまして!あの、このお話を見たときにもう最高かと思いました!続きも待ってます。 (2020年7月31日 16時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - マリナさん» マリナさん、コメントありがとうございます!頑張ってかきたいと思います! (2019年1月31日 19時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
マリナ(プロフ) - 初めまして!一気に世界観にハマってしまって主人公ちゃんの幸せの続きが気になりました!更新待ってます! (2019年1月30日 4時) (レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - maimaiさん» ありがとうございます!普段は読まないのに、読んで下さってるっていうのは本当に嬉しいです!!つい更新してしまいました...! (2019年1月21日 8時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:himawari | 作成日時:2018年8月25日 21時

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