【REBORN!】幻のアルコバレーノの波瀾万丈な日々。１【出会い編】

標的11 ページ13

「「美味い！」」





タイミングよく山本と被ったけど同じことを考えてたらしい。

そんな様子を見ていた葉月さんはオレたちの顔を見比べる。



かと思えば、急に声を出して笑いはじめた。





『アハハハハ！本当に仲良いね。

それとありがとう。美味しいって言ってくれて。自信ついたよ』



「オレは本当のこと言っただけだぜ？」



『それが嬉しいんだよ！』





嬉しそうに口を綻ばせる葉月さんは、やっぱり普通の女の子と変わりはない。

それどころかクラスの女子たちより親しみやすいかもしれない。





『…あのさ、教室にいた時キツく当たっちゃってごめん。悪気はなかったっていうか…さっきも言ったけど、誰かといるより一人でいる方が気が楽だから』



「それなのに無理に誘っちゃって…ごめん」



『謝るのはこっちだから！それに、2人と一緒にいても気が楽だった。なんか意地張ってたのがバカみたい』



「じゃあこれからも一緒に飯食おうぜ！今度は獄寺も一緒にさ！」



『獄寺？』





獄寺くんの名前が出た途端に訝しげな表情を浮かべる。



昨日、葉月さんとケンカして負けたという話を思い出した。

獄寺くんのことをよく思ってないのは当然だ。





『…いいよ』



「え、いいの？」



『逆になんでだめなの？2人の友達ならいい人なんでしょ、獄寺って』





さっきとは打って変わって穏やかな笑みを浮かべている。

演技なのか、はたまた本心なのか、オレにはわからない。



この笑顔を信じてもいいのかという不安がふと過った。

標的12→←標的10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す