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そして、カエデは重い口を開いた。
「エース、私がロジャーの名前を出して、気になってエドのところへ行き、真相を聞き出すためなんだよ。ロジャーが亡くなっても、私はロジャーを忘れることはできないし、愛した人なんだ。そして、私はロジャーの子を授かり、ゼシカとグレイグを産んだんだ。ゼシカとグレイグの名前を付けてくれたのはロジャーだった。ロジャーは良い父親で、子育ても協力してくれて、2人が大きくなった時は、息子のグレイグに自分の形見である剣を渡し、色々とグレイグはロジャーに教わったんだ。そんなある日、ロジャーは病気になったんだ。病名は『不治の病』だった。私はロジャーの病気を治せるけど、ロジャー自身が頷かなかった。彼は残り少ない命でも、海賊人生を楽しんでたんだ。私もロジャーと一緒に海賊になれてよかったと思ってるんだ。エース、あの時に言ったよね？『産まれてきてくれてありがとう、本当にありがとう』って。エースが親の愛情がないまま育ってるのは、分かってる。でも、私やエドやグレイグやゼシカだっている。辛かった分、私がエースに愛情を持って甘えさせてあげたいんだ」
2人は黙って、カエデの話を聞いていた。そして、エースはカエデの手を握りしめ、「母さん、ありがとう。あなたがいてくれたから、俺は今ここにいるんだ。今まで気づかなかったけど、母さんって本当にすごい人なんだな」と言った。
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作者名：心羽 | 作成日時：2023年11月28日 20時
