73-1:疑似恋愛大作戦 ページ8
翌日。
深夜に天界に行っていた真緒は少し寝不足の状態で、授業を受けた。
昼食中、太裳の声が頭の中に聞こえてきた。
太裳《私が、引き受けます》
《わかったわ、また呼ぶからーーお願いね》
真緒は返事をして、昼食を食べるアンブリッジをちらりと見た。
午後の授業は、これから自分のすることを思案していて集中出来なかった。
＊
真緒の落とした爆弾発言によって、展開に残された3人は顔を見合わせていた。
六合『…出来ない』
真っ先に言い出したのは六合だ。
青龍が、そんな馬鹿馬鹿しいことは誰も出来ないと言わんばかりに、当然だ、と呟いた。
太裳『ですが…主だって、いつまでも盗聴生活を送るわけにはいかないのでしょう』
青龍『貴様ーーー…自分の主と疑似恋愛すると？』
殺気立って睨みつける青龍に、太裳は思わず両手を小さく上げて苦笑する。
太裳『僕は、貴方を推薦します、青龍』
青龍が青筋を立てて、断ると言った。
太裳『では…他に案がありますか？』
青龍『…バッジを捨て、失くしたことにーー』
太裳『他の手段を仕掛けられる可能性がありますよ。主は、盗聴が無価値だと相手に思わせたいわけですから』
六合『2人で、決めてくれ』
言い合いをしている2人を静観していた六合が、完全に我関せずを決めたようで、2人の前から姿を消した。
残された2人はお互いをちらりと見合う。
青龍『ーーーしない、そんな馬鹿馬鹿しい真似はしない』
太裳『貴方も頑なですねえ。では、僕が引き受けますが…良いですか？』
尤も、主は貴方にその役を任せたいと思っているでしょうがーー太裳が小さく付け足すと、青龍は冷ややかに太裳を睨みつける。
それから直ぐに青龍は姿を消して、太裳は肩を竦めて呟く。
太裳『まあ、役割を交代したくなったら言ってくださいね』
＊
夜ーーーー
真緒は頭の中で、太裳に呼びかけた。
真緒の自室に音もなく現れた柔かな太裳。
「会いたかったわ」
太裳『僕もですーー…真緒』
少しぎこちない様子で主の名前を呼ぶ太裳が、真緒の髪に手をやる。
にっこり微笑み合う2人。
これからすることは、決まっている。
太裳が真緒の髪を優しく、だがとても素早く結い上げた。
太裳『さあ、真緒ーーこっちに…』
太裳のエスコートでベッドへと腰掛ける真緒。
太裳『このローブも、シャツも、僕らにはいらない…』
真緒の耳元ーーそしてバッジにも確実に聞こえるような距離で太裳は囁いた。
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はっさる(プロフ) - M.Sさん» はい！無理せずに頑張って下さい！ (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 0296957bfe (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - はっさる様:ありがとうございます！そんな風に言って頂けるととても嬉しいです(^^)どんどん物語も後半に入っていきますが、引き続きお楽しみ頂ければ幸いです！ (2019年9月17日 12時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
はっさる(プロフ) - いきなりのコメント失礼します！毎回更新されるのが楽しみです！夢主の設定や物語の進め方がとても好きです！毎回更新を楽しみにさせてもらってます！これからもご自身のペースで更新頑張って下さい！番外編の更新も楽しみにしてます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 0296957bfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2019年8月23日 18時
