86-2 ページ50
天文台の屋上の防壁の下に、扇子を使って空中に停止している真緒と、顕現せずに真緒の側にいる青龍と白虎は、ダンブルドアとドラコのやり取りを静かに聞いていた。
《青龍、ハリーが側にいるか確認してきて》
青龍の気配が遠のく。
青龍《ダンブルドアの呪文で動けなくなっている》
《分かった》
では、ダンブルドアに呪文が当たって防壁を超えた瞬間、ハリーにかけられた呪文は解かねばならないということだ。
そうこうするうちにばたばたと音がして死喰い人が合流してきたのが分かった。
真緒はごくりと唾を飲んで、その時を待った。
《ダンブルドアは呪文を受けて、気絶するはずだから、言った通りに白虎は落ちて来たダンブルドアを受け止めて降下して青龍が偽物を落とすのと入れ替わりで日本へ、屋敷へ》
私は、ハリーにかかった呪文を解いてーーー恐らく原作より早くに到着するであろう魔法省の面々を足止めして、ドラコとセブルスを逃すーー真緒は頭の中で流れを組み立てていた。
天空《ーー主、してやられた》
突如、頭に響く天空の声。
そして次の瞬間、自身の身体が眩暈を起こしたかのように揺らぎ、扇子で何とか体勢を保つ。
その時、セブルスがやって来た。
《天空、少し待って、どうしたの？》
そしてーーー
セブルス「アバダ・ケタブラ！」
ダンブルドアの身体が防壁を超えた。
真緒は対象をハリーに、呪文解除をかけた。
白虎が落下してきたダンブルドアを受け止め、風を操り降下するーーー
青龍が壁を伝って降下しながら、式を投げようとした。
白虎《主、これは…ーーーーっダンブルドアはオニキスを持ってはいない！》
白虎の声が頭の中に響いた。
「白虎…？」
白虎《死んでいるーーー》
「まさか…」
天空《主、結界が破られたーー今すぐ日本へ》
青龍《白虎、ダンブルドアはそのまま地に落とせ》
こんなに焦った天空の声を、聞いたことはない。
青龍の気配が消える。
青龍《……屋敷をやられたーー…高郷と篁を探す》
《…どういうこと？》
セブルス達の逃げる声を、防壁の陰から聞いていた真緒は青龍の返事を待った。
だが、返事はない。
白虎は息絶えたダンブルドアをそのまま手放した。
真緒の頭の中は、想定外のことだらけで混乱していた。
城の中では、恐らく未玖達が戦っている。
六合が力を使う気配も、先程から何度か感じている。
どうしたら良いーーー
天空《主、日本へ！今すぐだ》
86(終)
→8へ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はっさる(プロフ) - M.Sさん» はい！無理せずに頑張って下さい！ (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 0296957bfe (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - はっさる様:ありがとうございます！そんな風に言って頂けるととても嬉しいです(^^)どんどん物語も後半に入っていきますが、引き続きお楽しみ頂ければ幸いです！ (2019年9月17日 12時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
はっさる(プロフ) - いきなりのコメント失礼します！毎回更新されるのが楽しみです！夢主の設定や物語の進め方がとても好きです！毎回更新を楽しみにさせてもらってます！これからもご自身のペースで更新頑張って下さい！番外編の更新も楽しみにしてます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 0296957bfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M.S | 作成日時：2019年8月23日 18時
