6-9:クリスマスの朝 ページ50
翌朝。
いつもより早く目覚めた真緒はベッドの側の沢山のプレゼントに思わず目を瞬かせた。
仲の良い友達は勿論、あまり顔も思い出せないような名前もある。
仲良し組は、双子からは光の加減で色が変わるヘアゴム(いつぞや箒に乗るときに括るゴムが欲しいとぼやいていたのを覚えていたのかもしれない)、アリシアからは紅茶の茶葉の詰め合わせ、アンジェリーナは本。
昨日のパーティーのメンバーからも、お菓子の詰め合わせや可愛いマグカップ等が送られてきている。
そして、手紙で何が良いか聞いてきたドラコからのプレゼントは見当たらなかった。
見逃して埋もれてるのかしら、と真緒は考えつつ、いつものバレッタで髪を留めながら身支度をする。
コンコンというノックの後、扉から顔をのぞかせたドラコがメリークリスマスと言って入ってきた。
「メリークリスマス、おはよ」
これ、君に。と緊張した面持ちでドラコが小振りながらも上質に包まれた何かを渡してくる。
「これ、クリスマスの？」
ドラコ「うん」
開けてと言わんばかりに見つめてくるドラコ。
真緒は静かにその包みを開けると、出てきた蒼の薔薇のブローチに、大きな目を更に見開いた。
「凄いわ、素敵ーーー。まさか、薔薇の花まで叶えてくれるなんて…」
感激する真緒に満足気に鼻を鳴らすドラコ。
このブローチを見つけるのに、彼は中々苦労した。
ドラコ「見つけるのに苦労したんだ、僕に感謝するんだね」
「うん！ありがとう、ドラコ！」
満面の笑顔にドラコは思わず固まって、くるりと扉の方を向く。
ドラコ「お腹がすいた、早く下へ降りるぞ！」
真緒は、完全に照れたドラコを微笑ましく見つめながら、小走りで下へと向かうドラコの後を追うのだった。
6-9(終)
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作者名：M.S | 作成日時：2019年5月11日 16時
