(ハリポタ子世代)強さが欲しい (ページ43)

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「おじ様、私とドラコを引き離したいのですか」

遠回しな探り合いはごめんだと真緒は単刀直入に尋ねた。
その直球な質問には、流石のルシウスも少し面食らったのか、目を瞬かせる。

ルシウス「君が、グリフィンドールでなければ、何も困ることはなかった」

せめて、レイブンクローなら…と彼は続ける。

ルシウス「君自身も、寮同士の対立関係は知っているんじゃないかね」

「えぇ…仲の悪い生徒達も勿論います」
ルシウス「君自身も、そうだろう？」
「そう思われますか？」

スリザリンでいながらグリフィンドール生と付き合うことができるなら、寮生全員は無理だとしても自分だけなら、その垣根を越えることは出来るはずだと真緒は考えていた。

そのため組分け後から、寮は関係なく凄いことは凄い、素敵なことは素敵と、事あるごとに色んな人を褒めてきた。

たったそんなことが思いそうだが、彼女の側にはフレッドとジョージがいる。双子は典型的なグリフィンドール生で、彼女がスリザリン生を褒める度に、周りに聞こえる大声で否定した。
そのオーバーリアクションのお陰で、真緒が敵対する筈のスリザリン生を擁護している事実はホグワーツでは有名だ。

「マーカスは箒の乗り方を教えてもらったことがありますし、エイドリアンとテレンスも一緒に宿題をしたり…あ、勿論全員スリザリンです」

にこりと微笑んで、ルシウスを見る。

ルシウス「なるほど…それは、楽しみだな。フリント、ピュシー、ヒッグス、それにボール、ブレッチリーがイヴのパーティーに来るが、息子も連れてくるように言っておこう」

「ぜひ、楽しみですわ」

人間、人伝てに聞く自分の話を案外覚えている。
そして自分を高評価した相手が柔かに話しかけてきた時、つい友好的な態度を取ってしまうものである。
まして相手は10代の子どもだ。
異性で、更にファンクラブまであるような人気者の場合、寮なんて関係なく虜になっていく。

真緒は、その一般的な人の心理を巧みに利用しながら、自分の味方を着実に増やしていた。

ドラコの自室にてーーー

ドラコ「真緒！大丈夫だったかい？」

部屋に入るや否や、ドラコが真緒に駆け寄る。
彼女は、勿論よと答えてから、ドラコの部屋を興味深げに観察した。

「3歳の頃の感じとは、流石に雰囲気も変わるね」
ドラコ「あっ、当たり前だろ！僕はもう9歳だ！」

憤慨するドラコを宥めつつ、ホグワーツやクィディッチの話をして夜更かしした。