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良いよと答えた彼女にドラコはほっと安堵した。
そして、箒はもう切り上げようと、腰を起こす。
時間的にも、もう戻った方が良いだろうと考えた。
「そろそろ戻ろう、もう呼びにきそうだ」
真緒の分の箒も持ち、屋敷へと歩き出す。
(それにしても…)
少ししてドラコは真緒を振り返った。
どうしたのと言いたげに小首を傾げる彼女。
澄ました顔を見ながら、思わずドラコは
「ホグワーツに行くんだから、もうちょっと大人っぽい色にしないと、からかわれるんじゃないかい」
にやり、と笑った。
「〜〜〜言ったわね…！！」
羞恥で顔を赤くした真緒が怖い顔でドラコを追いかける。
うわぁっ、と慌てて逃げるドラコ。
その後、大人達と合流したドラコは、やや不機嫌な真緒と向き合っていた。
お祝いを渡す為だ。
ナルシッサ「ドラコからも、あるのよ」
真緒「えっ？そうなんですか？」
驚いたような表情で真緒が聞いた。
先ほどの不機嫌な気配はなくなり、わくわくした表情でドラコを見つめる真緒。
優雅に微笑みながら、ナルシッサがドラコの背を押す。
サファイアの輝く瞳に見つめられ、ドラコはおずおずと差し出した。
(そんな期待した顔で見ないでほしい…)
他にも色々な物を見れば良かった、もっと真剣に選べば…と若干後悔もしつつ、真緒の顔色を伺う。
真緒「わぁっ…可愛いバレッタ！」
母「本当ね。この花、ドラコの瞳の色みたい」
真緒はきゃっきゃと母親と喜んでいる。
ドラコは胸を撫で下ろしたが、彼としてはその花は先程の彼女の下着の色が連想されてどうにも気恥ずかしかった。
勿論、彼女にはとても言えたものじゃないが。
真緒「ドラコ、素敵なバレッタをありがとうっ」
年相応なキラキラとした笑顔に照れくさくなりながらドラコは、んーーーと小さく頷いた。
＊
その日の夜。
ドラコはぼんやりと今日過ごした少女に思いを馳せた。
「ホグワーツか…」
ホグワーツには沢山の生徒がいる。
ドラコは今年に入ってから、定期的に開かれるパーティーへ父親に連れられることや、屋敷で開催されるパーティーに参加を義務付けられるようになっていた。
同年代の子どもを大勢見るわけではないのだが、それでも明らかに土御門家の女性陣の美しさは、一般のそれを超えていることを肌で感じた。
きっと、沢山の男子生徒から人気が出るのだろう。
そう思うと何故だか胸がきりりと痛んだ。
3(終)
#ドラコ無自覚初恋
#けれど出番減
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作者名：M.S | 作成日時：2019年5月11日 16時
