3-1:ドラコとサファイア ページ26
僕の名前はドラコ・マルフォイ。
尊敬する父上も母上の元に生まれたマルフォイ家の跡取りである。
現在9歳の僕は、あと2年でホグワーツに入学する。
父上はダームストラング校に入学させたいようだったが、母上が遠くの学校を反対したのと、友人のリリア・土御門の娘と一緒が良いと強く主張した為だ。
土御門家、それは遠い島国であるニホン(日本)でトップに君臨する家系だそうだ。
3歳の時に会ったことがあるらしいが、あまり僕は覚えていない。
ナルシッサ「ドラコ、もうすぐ来ますよ。お出迎えの準備を」
「はい、母上」
土御門家の長女が入学するからと、父上に贈り物を選ぶよう指示されたのはつい先日のこと。
よく覚えていない女の子相手に何をあげたら良いのか分からなかった僕は、母上とダイアゴン横丁に出向き、1人じゃ絶対入れない女性ばかりのお店で、アイスブルーの花のついた髪飾りを選んだ。
ナルシッサ「ディディスカスね」
「ディ…何と?」
ナルシッサ「ディディスカス。ブルーレースフラワーのことよ、花言葉はーーー」
母上が何か言いかけていたが、丁度父上が合流したので、そのまま僕らは屋敷へ帰った。
(ドラコside fin)
*
玄関ホールの片隅で、天井のシャンデリアをぼんやり眺めながら、ドラコは佇んでいた。
扉が開き、2人の男女とロイヤルブルーのワンピースに身を包んだ少女が入ってきた。
艶やかな黒髪はは一つにに纏められて揺れている。
ルシウス「ーーードラコ、真緒をエスコートしなさい」
「はいっ、父上」
ルシウスの声で、弾かれたようにドラコは真緒に駆け寄る。
深い蒼がドラコを捉え、彼の頭の中に着物姿の少女と袴を着た幼子との記憶が駆け巡った。
《ドラコも、宜しくね》
《おねえちゃん、とらないで》
《二人をちゃんととめれなかった私が悪いよ》
《行こっか》
(あの宝石のような瞳で、優しく微笑んでいたあの子は、この子だったのか…!)
真緒「ドラコ、久しぶり」
「久しぶり、ーーーーっ真緒」
ナルシッサ「ドラコったら、ずっと貴女に会えるのを楽しみにしていて…少し、緊張しているみたい」
リリア「あら、可愛いこと」
「母上っ、変なことを言わないでください。僕は全く…」
真緒とドラコの目線がかち合い、真緒が小首を傾げて、黒髪がゆるりと揺れる。
サファイアの瞳が優しく細まり、潤った唇が弧を描く。
ドラコは自分の頰に熱が集まるのを感じた。
「全くもって、落ち着いていますっ」
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作者名:M.S | 作成日時:2019年5月11日 16時