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ドラコ「じゃあ、僕が教えてやろうっ」
生き生きとした顔で私に説明を始めるドラコ。
年下の自分が教える側だということが嬉しいのかもしれない。
心なしか、口調も上から目線だ。
「ふふ、お願い」
説明をしてくれるドラコ。
分かりやすいが、確かホグワーツで持ち方指摘されていた気がする。
ドラコ「じゃあ、乗ってみるぞ！真緒、外に出よう」
「うん」
ドラコに連れられて、外に向かう。
何だか今日はご機嫌だね、とドラコに問いかけると、君の妹がいないからな、と僅かに怪訝な顔で返答が来た。
3歳の頃の出来事を覚えているのだろうか、と思わず苦笑しながら受け流しておいた。
「あ、待って、ちょっと！」
ドラコ「おいおい、ふらふらじゃないか」
私が上手く乗れないのを見て、完全に口調が前世で知ってるドラコだ。
どうしよう、結構怖いんだけど。
勉強って努力である程度出来るけど、運動神経って生まれ持ったものじゃないのかな、そういえば私、前世でも運動神経悪かっーーーーあっ！
ドラコ「真緒っ！怪我はっ？」
「ったぁ…大丈夫、そんなに高いところに浮いてないから」
考え事をしていたら箒から落っこちた。
少し膝を擦りむいたが、大丈夫そうだ。
ドラコ「もしかして、怖いのかい？」
「少しだけ」
傍に降り立ったドラコはアイスブルーの瞳でこちらを見つめる。
心配そうな様子で見てくるので、もう一度乗りたい、と微笑みかけた。
日本では箒で飛ぶ機会は無かったが、自分が扇で作りだした風で移動することは出来た。
箒は、流れてくる風に揺さぶられて、どうも安定しない。風を作り出して安定させるというズルをしたいところだが、そんなことをしては入学後に困ることになるだろう。
ドラコ「一度、僕が君の箒の先を掴んでおこう」
再度箒に乗ったドラコが、君も乗ってと促す。
先程と同じく1mほどしか浮かないけれど、ドラコが私の目の前に来て箒の先を持つ。
先端が固定されたお陰で、幾分か恐怖は和らぐ。
ドラコ「姿勢は、そうだ。下を見るんじゃない、そうだな、目の前を」
僕を見るんだ、
と口説き文句のようなことを真顔で言うドラコ。
全く他意がないことは分かっているが、免疫のない私は顔に熱が集まるのを感じた。
ドラコ「どうしたんだい、君」
「え、いやいや…気にしないで」
ドラコ「でも顔が赤いぞ、気分でも悪いのかい」
尚も追求をやめないドラコに、
「ドラコが僕を見ろとか言うから」
ドラコ「へ？」
ぽかんとしたドラコの顔。
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作者名：M.S | 作成日時：2019年5月11日 16時
