1-1:幼少期、ドラコと ページ11
残念だったが、ハリーのご両親は亡くなって、ハリーは私の知る物語通りに生き残った。
そして、私には妹が出来た。
父親譲りの髪と瞳に、母と私と同じ白い肌。
まだふにゃふにゃとした赤ちゃんで、私と違い紛れもなく正真正銘の赤ん坊。
そして、父の親馬鹿は加速している。
父「未玖〜パパと真緒だよ〜」
「私にも未玖抱っこさせてよ、ね？」
母「気をつけてそっと、パパと一緒に抱くのよ？」
イギリス魔法界も落ち着いたらしく、両親からも時々、ウィーズリーやマルフォイなど私も知っている魔法族の話が聞こえてきていた。
私はというと、2歳を過ぎても未だ十二神将からの指導を受けている。
ちなみに2歳を過ぎてやっと、実際の術を教えてもらえるようになった。
父や母は子供らしい遊びを好まず、陰陽術ばかりにベクトルが向く私を少し心配していたようだった。
しかし、正真正銘の赤ん坊である妹が、割と沢山なく子で、夜泣きも多いことでそちらに付きっきりとなり、それどころではなくなったので、少し寂しいものの安心して術は学べている。
六合『…真緒は、式神を操るのが得意だな』
「うん、沢山作ったら寂しくないでしょ？」
前世足したら32歳なのに、思わず両親から構ってもらえない寂しさが出てしまった。
無言で私の頭を撫でる六合と、少しへこむ私。
そこにふわりと顕現した天一。
ふわふわの長い金髪と柔らかな微笑みがどこか母に似ている。(と私はいつも思ってしまう)
天一『真緒、貴女は本当に良い子ね』
「未玖のことはすき。でもちょっと寂しいの」
ぎゅっと天一に抱きついて甘えてみる。
充分成人している私ですらこんな気持ちになるんだから、世のお兄ちゃんお姉ちゃん達が赤ちゃん返りするのも無理はない。
天一『皆、貴女が大好きだから、未玖が大きくなるまで少しだけ待ちましょうね？』
「うん！天一、だいすき」
元気が出たところで、とてとてと六合の元に戻る。
長い服の裾をひっぱり、ねえねえと話しかけた。
「私ね、ぱちんってお爺様みたいに魔法使いたいの」
六合『ーーー…それは、私には教えられないな』
「お爺様以外、十二神将の中にはいないの？」
どうか…！と期待を込めた目で六合を見上げる。
微かに、六合は頷き、
六合『一人だけいる。』
「え、誰っ？見たことないよ」
六合『青龍だーーー』
六合が答えた瞬間、不機嫌な声が聞こえた。
青龍『何故、余計なことを吹き込む』
眉間に皺を寄せた青龍が顕現した。
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作者名：M.S | 作成日時：2019年5月11日 16時
