My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ1)

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見えない世界。-1 ☆request☆ ページ1

side M

朝はなぜか泣いてるAを宥めることからスタートした。

あんまり朝から泣くってことはここ最近なかったんだけどまた嫌な夢とか見たのかと思って。
なんだけど...

「A、ほら、これ持って？」

コミュニケーションの手段であるノートとペンを渡しても、いらないというように俺に押しつけるように返してくる。

うーん...(苦笑)

Aの担当が主とはいえ、A以外にも担当する患者さんの子供はあと数人はいる。
朝もそこまでゆっくりしてあげられる時間でもないだから正直Aばっかりにかまってあげられる時間もない。

でも俺と相葉くん以外はこの前の新人以来でまた少し怖くなってしまったらしく受け付けてくれない。
あの五十嵐さんまでも怖がっちゃってるからこれは只事じゃないってね…

仕方ない、ほかの子は今残ってる人に頼もう...

PHSで事情を話して他の人に病室を回ってもらうことにした。

これで俺の方は解決。

後の問題はA

未だに泣いてる、と思えば、抱っこをしてほしいのか手を伸ばし始めたA。

……………あれ？

「A？どこに手、伸ばしてんの？」

俺がいるところとは少しズレたところに向かって手を伸ばしているA。
最初は少し巫山戯てんのかな？くらいで見てたんだけど、どうやら違うみたい

まさかとは思うけど…

「A、これ見える？」

2本の指を立てて目の前でゆらゆらと揺らしてみせるけど泣きながらぶんぶんと激しく首を振るAを見て、これはまずいとAの背をさすって落ち着かせながらも急いで翔さんに連絡を取る。

「翔さん？ちょっと大変なことになった。急いでAのとこ来てくれる？」

『大変なこと？…すぐ行くわ。』

「お願いします。」

PHSを切って泣きじゃくっているAを抱き上げた。

「すぐ翔さん来てくれるから大丈夫。ゆーっくり深呼吸なー。息苦しくなるから。……そうそう、じょーず。」

こんなに泣きすぎて喘息発作誘発したらもっと大事になる。

数分落ち着かせていると、扉が空いて翔さんが来てくれた。

「大変なことって？」

「A、目、見えてないかもしれない。」

「は？！…見えてないって、え？」

ここまで翔さんが動揺するの久しぶりに見たからちょっと笑いそうになった。

笑ってる場合じゃないんだけどさ(苦笑)

さっきのことを説明すると、あぁ…なるほどって考え始めた翔さん。

「A、泣かない泣かない…。」

相変わらずぐずってるA。