2 ページ4
side M
突然PHSが鳴って出たら相葉くんで、しかも内容がぶっ飛びすぎてて、鼓膜が破れそうなくらい大声で。
でもあの声色は緊急事態だってすぐにわかったから。
ちょうど処置室にいて物品の確認とかしてたからナイスタイミング。
えーっと、震えてるとか凍えてるって言ってたから毛布とか温かいもの用意したほうがいいか。
それにしても雨の中1人女の子が歩いてたりするか？
しかもこんな夜中遅い時間帯に。
疑問が頭を渦巻く中PHSで翔さんに連絡を取る。
「もしもし翔さん？急患入ったから来てくれる？」
『了解、ニノもいた方がいい？状態はどんな感じ？』
「あー、うん、いてくれた方がいいかな。それがわかんなくてさ、救急車要請とかじゃないから。詳しいことは来てからってことで。」
『おっけー、今から向かうわ。』
通話を終え、再び処置に必要なものを用意してると、扉が開いて相葉くんが小さな女の子を抱っこしてきた。
「相葉さんもびしょ濡れじゃん！1回預かるから適当に拭いてきなよ。アンタまで風邪ひかれたら困る。」
「ありがと松潤。今度はこっちのお兄さんに抱っこしてもらおうね。」
相葉くんのカーディガンを羽織ってる女の子は本当に小さくて、冷たくて、今にも消えてしまいそうなくらいで。
預かって急いで衣服を脱がせ、毛布に包んであげようとした。
「...なんだよ、これ...」
衣服を脱がせると、体中に広がっている痣や傷跡、煙草を押し付けられたようなやけどの跡。
これ、単なる事故とかじゃない。
もしもこれが虐待だとしたら、それなら何故こんな大雨の中1人で彷徨っていたのかも頷ける。
「...っしゅ...」
「ああ、ごめんね。寒いね。毛布掛けてあげるね。」
くしゃみで我に返り、女の子を毛布でくるんであげる。
それにしてもこの子、怯えた目をしてるにもかかわらず、知らない人に抱かれたり、話しかけられたりしているのに拒否をしたり、泣いたり、と感情の変化が何1つない。
熱だけでも測っておいた方がいいか。
「ごめんねー、耳ちょっと借りるよ。」
耳式の体温計で検温。
その間に手首を借りて脈もとっておく。
「ん、鳴ったね。」
...38.4度。
やっぱり熱がある。
扉が開いて翔さんとニノが入ってきた。
「熱は38.4度。そしてこれ児相に相談した方がいいかもしれない。この子虐待受けてるよ。」
そういうと2人の顔が険しくなった。
でもすぐに優しい小児科医の優しい顔になって女の子の前へとやって来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 320人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽苡(プロフ) - ゆりりんさん» ゆりりんさんこんばんは(.ﾟーﾟ)あら、もう1人同士がいてくださった嬉しい(´･∀･`)のんびりですがこれからもよろしくお願いします！ありがとうございました(｀･3･´) (2016年7月4日 23時) (
レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
羽苡(プロフ) - もちふくさん» ありがとうございます(｀･3･´)内面が好きというのもあるんですが私自身が外面的なことを描くのが苦手というかちょっと書いてて、ん〜...ってなっちゃうんで(苦笑)共感してくれる仲間だいてよかった笑ありがとうございました(*'◇') (2016年6月24日 22時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
もちふく - わたしは今の感じが好きです！ちなみにわたしも内面派なので！！ (2016年6月24日 1時) (レス) id: c69f9f2e29 (このIDを非表示/違反報告)
羽苡(プロフ) - ゆりりんさん» リクエストありがとうございますﾉﾉ ｀∀´ﾙ承りました！更新まで今しばらくお待ちくださいませ(.ﾟーﾟ) (2016年6月19日 20時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - くまさんさん» ありがとうございます〜(´･∀･`)更新は本当に遅いですが更新したときはまた是非来てくださいね〜(｀･3･´) (2016年5月14日 23時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羽苡 | 作成日時：2016年5月7日 21時
