My Days in Hospital [Storm]

突然の-1 ページ5

聴診はちょっと泣いちゃったけど頑張って、熱も平熱で外出許可をもらった。
車椅子、だけど。

でも外に出れるならそれでもいいや！

用意してもらった車椅子に乗って廊下に出る。
うわぁ、久しぶりだー。

どこに行こうかな

なんて思いながら病棟を出て、くるくると車椅子を動かしてうろうろ。
あ、そうだー、中庭に行ってみようかな。

今日は天気もいいし...そうだそうしよう。

「おー、Aだぁー。」

おぉーいと手を振って歩いてくるのは精神科医の大野先生ことおーちゃん先生。
カウンセリングとかでお世話になるの。

あとはよく病室に来てお話相手になってくれる！喋れないけどジェスチャーとか楽しいんだよ。
外出できないときも耐えることができたのはおーちゃん先生のおかげでもある、かな。

「外出てるってことはしょーくんからお許し出たんだ。おめっと。」

くしゃりと私の頭を撫でて微笑むおーちゃん先生。
翔先生とは昔からの仲らしくてしょーくん、智くんと呼び合う関係らしい。
というより5人は昔からの仲らしい。

「押してあげよっか？」

！一緒にお散歩ができるってこと？
嬉しい！

うんうんと激しく頷くと「わーったわーった」って笑いながら車椅子を押してくれた。
ふふふっ、こうしてお散歩するのは本当に久しぶりだったからすごく楽しい

中庭にはそこそこの子どもたちがいて、元気な子は走り回ったりしてる。

「あー、おーのせんせーだ！」

当然おーちゃん先生は皆から大人気で、すぐに皆の引っ張りだこ。
しかも断れない性格だから、Aごめんなぁ〜すぐ戻るから〜って子どもたちに混ざっていった。

少し暖かすぎて日差しも強いから車椅子を押して日陰まで避難。
この風景も久しぶり。

でもちょっと胸が苦しい...だけどおーちゃん先生呼ぶのは今は大変そうだし。
小さい吸入のやつなら持ってきたから少し対処できるかな。

ポケットの中を漁る。

......あった！...急いで口元に持っていく。
っ...落としちゃった...

苦しっ......

「...っ...ひゅーひゅー...」

何で、私は声が出ないの？せんせっ...苦しいよ...助けてっ...

「A！？」

おーちゃん先生っ...苦しくてぎゅっと先生の白衣を掴む。
先生は私の背中を摩ってくれて「もしもし？ニノでもしょーくんでもいいから処置室空けといて！A喘息の発作出てきた！！」と誰かに電話をかけてそのまま先生に抱っこされて、病室ではないお部屋に連れていかれた。

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