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看護師さんの言葉で話していた2人の声が途切れる。


「あらー、鼻血出ちゃった?」

暑かったかねって和先生は言うと潤くんに準備するから連れてきてーって言って中へ入っていった。


潤くんが傍に来てくれて、ひょいってお姫様抱っこしてくれた。
そしてそのまま別のお部屋に連れていかれた。

でも今私の中ではお母さんの怖い声が頭の中を駆け巡る。







状態を診ようと近付いてくる先生の手。



叩かれる...!

怖くて身を引っ込ませた。
思い出しただけでぶるぶると震えが止まらない。





「だーいじょぶよA。そんなに怖がんないの。俺と潤くんのほかには今は誰もいないでしょ?」
 

顔上げてみ?ってそっと顎を持ち上げられる。
目の前に見えるのは、優しく微笑んでくれてる和先生の顔。



他にAが怖いって思う人いる?って聞かれたから、いないって口パクした。



それならだいじょーぶって言ってくれて、鼻に詰め物をするときも詰める前に声をかけてくれて、手つきもすごく優しくて、今以上に怖いことはなくなった。


潤くんが「手、綺麗にしてもいい?」ってホットタオルで血の付いた手を拭いてくれた。



少しの間、そのお部屋にいて、「もう止まったかね」って詰め物をとってもらった。
鼻血はおさまってて「部屋戻っても大丈夫」って言われたから潤くんと一緒に部屋に戻った。


リクライニングにして、丁寧に布団をかけてくれた潤くんは「またあとで消灯の時に来るから」って私のお腹のあたりをぽんぽんって優しく叩いて、出ていこうと立ち上がった。





__寂しいときや怖いって思ったときは甘えるのも大事だよ。




っておーちゃん先生の声が頭の中で響く。



立ち上がった潤くんのカーディガンをぎゅって掴んでみた。


ん?って振り向く潤くん。
ノートとペンを出して


『こわいのいやだからいっしょにいてください』


って書いて見せた。

目を丸くして驚いてる潤くん。


そうだよね、こんなこと私まず言わないもん...。


もしかしたら忙しくてダメって言われるんじゃないかって怖くて、返事するときの顔を見れそうになくて俯いた。
そしたらくしゃくしゃって頭を撫でられた。



それはいいよって合図で「たくさん我慢させちゃったもんな」って申し訳なさそうに笑ってた。



それから本当に消灯時間になって、私が眠りにつくまでお話をしてくれたり、お腹をトントンってしてくれたり...。

 
すごく温かい時間を過ごした。

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あさ(プロフ) - 5人が忙しくて、主人公がストレスをためて、発作をおのすが、見たいです。 (2017年11月28日 18時) (レス) id: f3fc70be44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 憂依さん» ありがとうございます!よろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年4月6日 8時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 優さん» リクエストありがとうございますノノ `∀´ル承りました。更新までしばらくお待ちくださいませ(`・3・´) (2016年4月6日 5時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 憂依さん» 全然大丈夫です!(´˘`*)リクの内容なのですが、主人公ちゃんがストレスを溜めすぎて自傷をしてしまい先生達が支えるみたいなお話が見たいです! (2016年4月5日 0時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 数分で返してきた怖いなんて思わせたらごめんなさいorzたまたまなんで。リクエストは受け付けてますよ〜。設定にもある通り、誰がどのようにというのをできるだけ詳しく(アバウトな場合はこちらで決めさせてもらいます)書いていただければ!お待ちしてます(*'◇') (2016年4月4日 0時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羽苡 | 作成日時:2016年2月12日 22時

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