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そこには、小さい頃の私とお母さんがいた。
そして、いつものようにお母さんが連れてる男もいた。
お母さんは私に「邪魔しないでよね」と冷たく言い放って、色目というものを使い、男と腕を組んで、私が入ることは許されない、奥の部屋、開かずの間へと入っていった。

声が出せない私は、寂しくても「おかあさん」と呼ぶことができない。

少しだけなら...と好奇心から扉を静かに開けて様子を見た。

そこには私の想像をはるかに超える出来事が...

なんでなのかは知らないけど服を着てないお母さんの上に男の人が乗っかってる。
...前に見たテレビで、男が女の上に乗って、暫くしたら女が死んだっていう番組があった。

恐らくは殺人シーンの再現映像だろう。
今では嘘だとわかるけど、当時の私にはお母さんが殺される!と思ったのかもしれない。

急いで男に駆け寄って、お母さんから離れろ!とぽかぽか男を叩いた。

「な、何だこのガキ!!」

「ちょっと!!邪魔しないでって言ったでしょ!?何で入ってくんのよこの馬鹿!!」

...邪魔、なの?せっかくお母さんを守ろうとしたのに...。
何で邪魔だってひどいこと言うの?

今の私だったらこう思ってた。でも幼い私には言葉の意味なんてわかんなくて、ただお母さんが男に怒ってるんだと思って、今より一層強く激しく叩いた。

「ったく...うぜぇんだよこのガキ...。なぁ、殺っていい?」

「お好きに。私、こいつに興味無いから。」

そう言って、フゥと煙草の煙を吐くお母さん。
男は不敵に笑って私を見た。と同時に、おらっと私をベッドの上に押し倒し、跨るように覆いかぶさる。


「...っ!!」

首を絞められた。痛い、苦しい、息ができない...!

必死に体を動かし抵抗したりするけど、途中からお母さんに押さえつけられて身動きが取れない。

嗚呼...どうしてなの?どうしてお母さん...。
助けてよ、苦しいんだよ...。

痛いことよりもお母さんが私の味方をしてくれないのが悔しくて悲しくて。
ほろほろと涙を流した。

絞められる力は増していき、息をしたくてもだんだんできなくなってくる。
もう駄目かもしれない

『A〜、だーいじょうぶ...。怖くないよ。俺の声聞こえる?聞こえたらぎゅって握ってみ?』

遠くからおーちゃん先生の声が聞こえる。
と同時に手の温もり。

助けてほしいの一心で、ぎゅっと手を握った。


そしたら、きゅっと優しく握り返してくれた。
あ、やっぱり安心する...心からそう思った。

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あさ(プロフ) - 5人が忙しくて、主人公がストレスをためて、発作をおのすが、見たいです。 (2017年11月28日 18時) (レス) id: f3fc70be44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 憂依さん» ありがとうございます!よろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年4月6日 8時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 優さん» リクエストありがとうございますノノ `∀´ル承りました。更新までしばらくお待ちくださいませ(`・3・´) (2016年4月6日 5時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 憂依さん» 全然大丈夫です!(´˘`*)リクの内容なのですが、主人公ちゃんがストレスを溜めすぎて自傷をしてしまい先生達が支えるみたいなお話が見たいです! (2016年4月5日 0時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 数分で返してきた怖いなんて思わせたらごめんなさいorzたまたまなんで。リクエストは受け付けてますよ〜。設定にもある通り、誰がどのようにというのをできるだけ詳しく(アバウトな場合はこちらで決めさせてもらいます)書いていただければ!お待ちしてます(*'◇') (2016年4月4日 0時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羽苡 | 作成日時:2016年2月12日 22時

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