注がれること-1 ページ19
「あ、Aちゃん?ちょっと待っててねー。」
ナースコールを押したと同時に少しだけ怠くなって、ベッドをリクライニングにしてちょうどいい高さまで上げて、凭れるように寝転がる。
さっきより怠くなった気がして体温計を脇に挟むと37.9℃ともう少しで38℃になる寸前。
寒気も少しするし、多分上がる...
どの先生が来るかはわからないけど、こわーい顔して怒るんだろうなぁ。
押したくなかったかもってちょっと後悔笑
そしたら静かに扉が開いて、ふにゃんとした顔のおーちゃん先生が入ってきた。
「おはよぉ〜。今ね、しょーくんとニノに連絡したから多分どっちかあるいは両方とも来るよ〜。」
よいしょっておじさんみたいに声を出して椅子に座って言う先生。
今、さりげなーく怖いこと言いましたよね。
1人だけならまだしも両方って言った?
冷汗が垂れた気がした。でも寒くて寒くて。羽織った上着をぎゅっと握る。
ちょいちょいと白衣を引っ張って、素直に体温計を見せた。
「うわぁ...寒くない?」
さ、む、いと口パクすれば、そうだよねぇ〜って苦笑を浮かべ布団をかけてくれた。
そしてPHSで「あ、もしもし〜、A38℃近く熱あるからぁ...うん...よろしく〜」と誰かに連絡を入れた。
「もう少しでしょーちゃん来るからねぇ〜」
とんとん、って安定のリズムで腹部を撫でてくれる。気持ちよくて寝ちゃいそう...
って思ったらまた扉が開いて、翔先生が入ってきた。
熱があるにしても私が起きてる顔を見て小さく微笑んだ。
怖い顔、してない...怒らないの?
それともこれから怖い顔して怒るの?
怒られなかった安心感といつか怒られてしまうのかという不安が頭の中で渦巻く。
おーちゃん先生の反対側のベッドサイドにきて、痛々しそうに白い包帯が巻いてある腕をとってそっと撫でた。
その顔はすごく悲しそうで、胸がきゅうってなった。
「...っ...」
「ふはっ、腹減ってたの?」
恥ずかしい、豪快にお腹がなるなんて...
ん?と聞かれると、もう頷く以外になくて、こくんと小さく頷く。
「じゃあ俺、あーばちゃんに伝えて何か持ってきてもらうようにするよ〜。」
「ごめんね、智くん。よろしく。」
私もぺこっと小さく頭を下げると、んふと小さく笑って、はぁーいと緩く返事をして、おーちゃん先生は病室を出ていった。
私と翔先生だけになった途端、静かな不穏な空気が流れる。
気まずい...
「あのさ、何で無断で病室出たの?」
静かに翔先生が口を開いて聞いた。
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あさ(プロフ) - 5人が忙しくて、主人公がストレスをためて、発作をおのすが、見たいです。 (2017年11月28日 18時) (レス) id: f3fc70be44 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 憂依さん» ありがとうございます!よろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年4月6日 8時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 優さん» リクエストありがとうございますノノ `∀´ル承りました。更新までしばらくお待ちくださいませ(`・3・´) (2016年4月6日 5時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 憂依さん» 全然大丈夫です!(´˘`*)リクの内容なのですが、主人公ちゃんがストレスを溜めすぎて自傷をしてしまい先生達が支えるみたいなお話が見たいです! (2016年4月5日 0時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 数分で返してきた怖いなんて思わせたらごめんなさいorzたまたまなんで。リクエストは受け付けてますよ〜。設定にもある通り、誰がどのようにというのをできるだけ詳しく(アバウトな場合はこちらで決めさせてもらいます)書いていただければ!お待ちしてます(*'◇') (2016年4月4日 0時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽苡 | 作成日時:2016年2月12日 22時