わからない-1 ページ14
軽く肩を叩かれて気付く。
どうやら少し寝てたみたい。
思い出に浸りすぎちゃった。
ぼやけた視界に映るのは少し心配顔の相葉ちゃん。
私、そんなに寝てたのかな...ちらりと時計に目をやると3時。
嘘、2時間も爆睡してたんだ。時の流れって早い。
というのも私って基本眠りが浅いからこんなに長時間寝ることってなかなかない。
だから、調子悪いの?って心配してくれてるんだよね。
無駄な心配かけさせちゃって、私って何してんだろう...
だいじょうぶ、少しねすぎちゃったみたい。と紙に書けばいつもの笑顔に戻って「そっか!よかった!」って笑ってくれる。
相葉ちゃんは他人を思って泣いちゃうことが多い。自分のことではめったに泣かないのに...。
すごく心優しいと思う。優しすぎていつか壊れてしまいそう。
でも私は太陽みたいなこの笑顔が大好き。
太陽みたいな微笑みに私もにこりと笑顔を返す。
わしゃわしゃわしゃわしゃーとこれでもか!ってくらいに私の頭を撫で回すと
「無理しちゃ駄目だよ?」って少し悲しそうな微笑みを私に向けた。
無理なんてしてないよ。ただ迷惑をかけたくないだけ。
相葉ちゃんはまた後でねーって言って病室を出ていった。
ここの病院は全国でもトップクラスの技術を誇る小児専門病院。
だから普通の風邪といったものの他に全国から難病や重病を抱えた子供が殺到してる。
医者も看護師も優秀な人材ばかり。
私がここにいることだってすごいこと。
私なんて...別に、こんな大きな病院じゃなくてもいいのに。
お母さんだって私に興味ないからお見舞いに来てくれないし、病状も大して変わらない。
私の腕に繋がれているこの点滴だって本当は意味がないものなのかもしれない。
意味のない治療を続けたって何にもならないし治療費が上がるだけ。
それならこんなの......いらないよ。
ぐっと点滴の管を強く引っ張ると、鋭い痛みを伴うと同時に針が抜けた。
ポタポタと水滴が針から落ちている。
抜いた場所からは、じわじわと赤い血が流れてくる。
ティッシュで、ぐっと強く押さえ私はそのまま病室を飛び出した。
初めての脱走。
あとで翔先生の怖い怖いお説教だ。でもいいや。
強い薬もたくさん使って、副作用にもたくさん耐えて、それなのによくならない。
喘息だって発作もよく起こるし。
人目を盗んで病棟を飛び出した。
何処に行こう。
腕を掴むと、気持ち悪い、ヌルッとした感じ。
「...っ...」
腕は真っ赤に染まっていた、怖かった...
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あさ(プロフ) - 5人が忙しくて、主人公がストレスをためて、発作をおのすが、見たいです。 (2017年11月28日 18時) (レス) id: f3fc70be44 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 憂依さん» ありがとうございます!よろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年4月6日 8時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 優さん» リクエストありがとうございますノノ `∀´ル承りました。更新までしばらくお待ちくださいませ(`・3・´) (2016年4月6日 5時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 憂依さん» 全然大丈夫です!(´˘`*)リクの内容なのですが、主人公ちゃんがストレスを溜めすぎて自傷をしてしまい先生達が支えるみたいなお話が見たいです! (2016年4月5日 0時) (レス) id: d375406796 (このIDを非表示/違反報告)
憂依(プロフ) - 数分で返してきた怖いなんて思わせたらごめんなさいorzたまたまなんで。リクエストは受け付けてますよ〜。設定にもある通り、誰がどのようにというのをできるだけ詳しく(アバウトな場合はこちらで決めさせてもらいます)書いていただければ!お待ちしてます(*'◇') (2016年4月4日 0時) (レス) id: a10bf46b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽苡 | 作成日時:2016年2月12日 22時