検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:4,090 hit

私が夢小説の主人公ならば ページ25

私は魂魄妖夢のことが好きだ。そう気づいたのは、彼女が恋人を作った時だった。Aという、素敵な素敵な人間である。白玉楼に取材に来た時に、挨拶をされたのだ。彼女のことを幸せにすると声高らかに宣言していた。恥ずかしいことこの上ないし、妖夢も苦笑していた。ただその頰を赤く染まっており、幸せそうに……幸せそうに笑っていたけれど。

 私はその時はまだ勝ち目があると思っていた。人間であれば死ぬだろうと、彼女を置いて死ぬだろうと思っていたのに。

 驚くことに、Aは外の人間……かつ、転生者で不老の能力を持つのだという。それもその日……妖夢が席を外している時に明らかになった。夢小説というものをよく書いていて、妖夢を嫁にもらう妄想を良くしていたのだという。だからこそ夢に見ていたことが叶って幸せなんだとか。先の発言に嘘はないらしい。妖夢が死ぬまで添い遂げるつもりなんだとか。

 その瞬間───真っ直ぐに見据えられた瞳と声色から、ただならぬ覚悟を感じて……だからこそ妖夢はAのことが好きになったんだろうなと感じた。

 それを知った今も私は、彼女に焦がれている。白銀の髪に、環境に左右される魔法のような瞳。磨けば光る原石のような。熱して叩けば伸びて、完成していく刀のような。空っぽで何にも染まっていない、そんな妖夢を愛している。誰よりも、どんな男よりも女々しい女である。どうして彼女に、私のような天狗が。恋をしてしまったんだろう? 考えれば考えるほどに、彼女の恋人の目が頭によぎって離れない。

───私がその、”夢小説”の主人公ならば、書き手だったならば。

 この時、初めて嫉妬と言える嫉妬をした。私の方がずっと、彼女に関わっているはずなのに───

移ろいゆく幻想と、貴女の白い肌(壱)→←純粋に病む魂魄妖夢(2)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:東方Project , 射命丸文 , 魂魄妖夢   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆめえぬ(プロフ) - ミリアさん» 私も2時間ちょっと前に終わったところですね。お疲れ様です。お誘いは嬉しいのですが、当方東方しかまともに書けないので……すみません。 (2019年12月9日 21時) (レス) id: 201cd87573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめえぬ(プロフ) - 星スピカさん» ありがとうございます…… (2019年12月9日 21時) (レス) id: 201cd87573 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - お仕事終わりました。すみませんでした;;更新頑張って下さいね! (2019年12月9日 16時) (レス) id: 529b85d986 (このIDを非表示/違反報告)
星スピカ - 友人で仕事中のミリアさんが「すみませんでした;;更新頑張って下さい」って言ってました。 (2019年12月9日 12時) (レス) id: c52f7f856a (このIDを非表示/違反報告)
ゆめえぬ(プロフ) - 星スピカさん» ありがとうございます!不定期更新なので、気が向いた時にでも見て行ってください……! (2019年12月9日 12時) (レス) id: 201cd87573 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆめえぬ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/muraku461/  
作成日時:2019年5月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。