自分からの ページ6
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私ならばれても大丈夫だと思ってつけあがった。
サクライはそう言っている。
でも違う。絶対に違う。
これは願望や負け惜しみなんかじゃない。『確信』だ。
サクライは優しい。
私がその優しさに助けられたことなんて数えきれないし、親からの贈り物を玄関に飾るような人だ。
そんな彼がもしも姉から「これからもずっと会ってほしい」と言われたら。
それを無下にできるほどの精神は持ち合わせていないだろう。
一時は好きだった人だし、誰よりも姉を理解しているのだ。
苦しみや闇だって、全て知っている。
だから放っておけなかったのだ。
私に言わなかったんじゃない。言えなかった。
だが私は少なからず傷ついたのだろう、涙がうっすらと目にたまっていた。
それを見てサクライはいつもの困ったような顔をして言った。
「俺といるとお前は傷つくばかりだ。俺より顔がいい奴も、頭がキレる奴も、運動ができる奴もたくさんいる。お前の学校はエリートばかりが集まってんだから山ほどいるだろ？俺はやめたほうがいい」
少し笑いながら私の目を親指で拭う。
確かにサクライよりかっこよくて天才で運動神経抜群の人はたくさんいるだろう。
でもそんなことでサクライに惚れた訳じゃない。
私は彼の人間性を好きになったのだ。
「＿＿ひどいよ。サクライは」
彼の手を振り払いながら咎めるように言う。
「自分のことをそんな風に言わないでよ！そしたらサクライが好きな私は馬鹿みたいじゃん」
驚いて固まるサクライ。
自らを否定するということは、その人を好きな人までもを否定することになるのだ。
私はサクライの顔を好きになった訳ではない。
確かに第一印象はその顔立ちだった。それは否めない。
でも、どんどん中身に引き込まれていった。
優しくて、周りをよく見ていて、他人の気持ちを誰よりも汲み取れて、少し不器用。
そんなサクライが大好きだ。
「私、ここに来て幸せだよ。全部全部、サクライのおかげなんだから...」
涙で滲むサクライの顔を両手で挟み、自分の顔を近づける。
「...サクライになら傷つけられてもいいよ。だって、その倍幸せにしてくれるもん...」
息遣いを間近に感じる距離まで近づき、恐る恐る唇を自分から重ねた。
これまで何度キスしたかなんて判らないけど、私からしたのは初めてだった。
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黄昏水晶 - もえさん：ありがとうございます！率直にそう言ってもらえると嬉しいです。 (2015年8月2日 12時) (
レス) id: b5cdbd3ae8 (このIDを非表示/違反報告)
もえ - うぉぉぉぉぉ！！！！！面白いーw (2015年8月1日 2時) (レス) id: f4a5ca3939 (このIDを非表示/違反報告)
黄昏水晶 - 杏仁どーふさん:ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。 (2015年4月1日 16時) (レス) id: b5cdbd3ae8 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁どーふ(プロフ) - 続編おめでとうございます(*^^*)応援してます♪ (2015年3月30日 22時) (レス) id: e8420b0568 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄昏水晶 | 作成日時：2015年3月27日 11時
