【ヒロアカ】ドラゴンな女子高生 3 (ページ45)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:50,870 hit

第129話鋭いのか鈍いのかページ45

＿

「…言いたくなかった事を……」

オールマイトは目線を下げ、そう呟く。
とりあえずその力を知る必要があるという結論になり、移動する事になった。

『オール・フォー・ワンか…』

仮眠室を出て、更衣室に向かう緑谷達を見送る。

あの男が投獄された今でも、奴の影がチラつく。
大きな何かが動き始めているのかもしれないと感じた。…せめて緑谷がその力に苦しむ事がないようにと願うしかない。

そして、PM7:00。

「もっとボコしゃあひょっこり発現すンだよ、んでその状態のテメーを完膚無きまでにブチのめして俺が一番」

「モチベーションおさえて」

「……僕の気持ちに呼応するのならあの時僕は＿＿」

″もっと先に在る力″と考えたらしい。
それから緑谷特有のブツブツが始まっていた。

『そろそろ夕飯の時間だな』

「つまンねえなクソが！扱えねーなら意味がねェ！帰る！てめーのブツクサ聞くと俺ぁサブイボ立つんだ」

ポケットに手を突っ込み、出入口に向かう爆豪。

「今日はこの辺にしとくか」

オールマイトが鍵を閉め、帰路に着く。
険しい顔で歩く2人を後ろに、ズカズカとA組の寮に向かう爆豪の背中を追った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

晩ごはんはビーフシチューだぞと教えてくれた飯田君に感謝をし、靴を脱ぐ。B組の何人かが来ていて、共有スペースは盛り上がっていた。

(座る所は…っと)

ソファはほぼ埋まっていて、空いてるのは爆豪君が夕食を食べているテーブルだけだった。キッチンで皿にご飯とビーフシチューを盛り、彼の向かい側に座る。

『いただきます』

目の前に、皿にがっつく爆豪君。
早く風呂に入って寝たいのだろう。そんな様子が見て取れて、思わず笑みが溢れる。

「緑谷探したぞ」

何口か食べると、帰ってきた緑谷君が轟君に呼び止められていた。

「おまえも″個性″2つ持ちだったのか？」

「え！」

『(…鋭い)』

「全力でかかってこいっつってたおまえが力を隠してたのなら、俺は多少ショックなんだが」

そんな会話が繰り広げられている。
ワン・フォー・オールの事は秘密なので、緑谷君が何とか誤魔化そうとしていた。

「そうかそれは大変だったな、疑って悪かった。すげえ事になってたな」

『(うーん、鋭いのか鈍いのか)』

難なく納得した轟君に、心の中で苦笑する。もしかしたら、目の前の爆豪君も″そんなとこが半分ヤローだ″とか思ってるかもしれない。

でも、そこが彼の面白い所だ。

＿