【ヒロアカ】ドラゴンな女子高生 3 (ページ34)

今日:14 hit、昨日:4 hit、合計:50,881 hit

第119話第四試合ページ34

＿

飛び去っていく姿を見上げる。
遥か高みへ昇っていく彼女を。

(早く追いつきてぇ)

「どうしたすットロいぜ轟ィイイ」

「おまえも鈍くなってんぞ」

＿＿＿限界を超えろ＿＿＿

高熱が吹き荒れる中、その言葉が木霊する。

思うように動かせない体で、左拳を握った。
熱が一気に凝縮する感覚。

＿＿＿その時だった、

「鉄哲溶けちゃうよ」

骨抜の声とともに、体が地面に沈む。
その拍子にパイプが後頭部に強く打ちつけられた。

(やべェ！！熱と相まって……意識が…)

それから飯田の声が聞こえたが、
俺の意識は遠のいて＿＿＿

「投獄数1-1！引き分けだ！！！」

終了のブザーが鳴った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「飯田くん…悔しいな…！」

「でも、…かっこよかった」

お茶子と緑谷君が画面に移る飯田君を見ていた。
それを横目に、気絶して運ばれていく轟君の姿に切り替わった画面。

(カメラが壊れる程の熱量…最後のは惜しかったな)

左拳に収束していく炎を見て、単純にすごいなと思った。彼の無限の可能性を感じた試合だった。

後で「どうだった？」と聞きに来る轟君が浮かぶ。
自意識過剰だと、そんな自分に苦笑する。
…とにかく、今は試合に集中しよう。

『次は爆豪君の試合か…』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿一言でいうと、圧勝だった。

戦闘力が高い爆豪君を軸に、チームプレーは完璧だった。特に驚いたのが、響香を助けた場面。今までそんな素振りを見せた事がない彼が、だ。

試合は4-0の完全勝利で終わった。

「かっちゃん！」

幼馴染の元へ駆け寄っていく緑谷君。
2人の会話を遠くに眺めていると、高揚している自分がいる事に気付く。

「見ててよ」

あぁ、緑谷君。私は君と同じ気持ちかもしれない。

(早く、試合がしたい)

＿