【ヒロアカ】ドラゴンな女子高生 3 (ページ4)

今日:13 hit、昨日:4 hit、合計:50,880 hit

第94話寝付けないページ4

学校に戻ってからも、調査や手続きがあり……
結局、寮に帰ってこれたのは夜だった。

「奴らが帰ってきたァ！！！」

峰田君に続き、クラスの皆が集まってくる。

「大変だったな！」

「皆心配してましたのよ」

「まァとにかくガトーショコラ食えよ！」

「皆心配だったのはわかるが！！落ち着こう！！」

口々に話しかける中、飯田君が間に入った。

「級友であるなら彼らの心を労り、静かに休ませてあげるべきだ」

そう主張したが……

「ありがとう。でも…大丈夫」

「…じゃあいいかい、
とっっっっっっっても心配だったんだぞもう」

飯田君は緑谷君の事が何より心配だったのだろう。
その一言で、彼は堰を切ったように話し出した。

「ラベンダーのハーブティーをお淹れしますわ！心が安らぎますの！」

百がプリプリとしながら、準備をし始める。

『ありがとう、百』

「腕の火傷、治ったんだな」

誰かと電話をしていた、轟君が横にいた。
彼の視線を追うと、自身の両腕に向かう。以前まで包帯が巻かれていたが、エリちゃんの″巻き戻す″個性の影響で火傷跡も無くなっていた。

『うん、今朝の事で。まだ皆に伝えることもあるけど……』

そこまで言って、皆の方を振り返る。
今日でなくてもいいと思った。個性が戻ったことは。

「…そうか」

言いかけた私に疑問をもった轟君だったが、言わないのならそれでいいと続ける。
普段と変わらない表情を彼らしいと感じた。

「おーいかっちゃん、何をフテクされてんだ心配だったから広間(ここ)にいんだろ！？なァ！？素直になれよ！」

「寝る」

「えー早くね！？老人かよ！！」

クラスの輪から離れたソファに、爆豪君がいた。
上鳴君が話しかけるが、躱すように立ち上がる。

「てめーらと違ってヒマじゃねンだ」

「わりィが俺も」

爆豪君と轟君は明日仮免の講習らしい。
寝るには早い時間だが、2人は部屋に戻っていった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

皆が寝静まった頃＿＿

『……はぁ…』

布団に入っても中々寝付けない。

サーの死。
個性が戻る前にあった事。
自分の身に起きた出来事が多すぎて、色々な感情が込み上げてきてるはずなのに、なぜか心は平静だった。

(……中庭行くか)

このままでは仕方ない。
外の空気を吸いに行こう。
そう考え、ベッドから立ち上がる。

澄んだ空気が、やけに足音を響かせていた。