【ヒロアカ】ドラゴンな女子高生 3 (ページ2)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:50,872 hit

第92話戦闘後ページ2

それから＿＿＿

死穢八斎會との戦闘で負傷したヒーロー達が次々に搬送された。
担架で運ばれる者、歩けるものの怪我が酷い者…
ある限りの救急車が呼ばれ、病院に運ばれていく。

彼女も、その1人。

エリちゃんの個性の暴走が収まった後、ドラゴンの翼を携えたAの怪我は無くなっていた。
だが数秒後、雫を溜めた眼元は静かに下ろされた。
眠りにつくように……

Aが運ばれた救急車の隣では、呼吸器を付けたサー。参加したヒーローの中で最も重傷だった。

「オールマイト！生きるって！必ず会いましょう！会って…また！だから…頑張って！！」

緑谷はそう言って、救急車に乗り込む彼を見送った。

兎にも角にも、
目的である、エリちゃんの保護は完了したのだった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

最寄の大学病院にて。

「怪我を負っていたとの事でしたが、完治しどこにも異常はありませんでした。ただ……」

救急車で病院に運ばれた直後、私は目を覚ました。
すぐに検査を受け、医者の診察を受ける。

「個性因子が平均値の半分量になっています」

『…半分、戻ったということですか？』

頷く医者。
前回の検査結果では、個性因子の測定値は″0″。
すなわち、元々持っていた量の半分まで回復しているということだ。

″巻き戻す″個性。
エリちゃんは人を産まれる前まで戻すことができる。
これは緑谷君が得た情報だった。

(あのとき……)

差し出された、手。
本来なら私に身体を動かせるだけの力はなかった。

ふるふると首を振る。
今こんな事を考えていても仕方ない。

「龍堂」

『先生…』

突如、扉が開かれる。
奥には緑谷君もいた。

「診察は終わったようだな。来い」

『どこへ？』

「……」

医者にお礼を言い、診察室を出る。
先生に問いかけるが、答えは返ってこなかった。
隣にいる緑谷君も分からないという顔だった。

着いたのは、集中治療室のような場所だった。

自動ドアが開いた先にいたのは＿＿＿

「オールマイト…！リカバリーガール！」

『バブルガール、センチピーダーまで…』

嫌な、予感がした。

「こうもなってしまっては、治癒では何ともならないな…」

「残念ながら…明日を迎える事は……かなわないでしょう…」

手袋をはめた医者に、リカバリーガールの声。
規則的な電子音。
沢山のモニターと管。

『……サー』