第38話 導いてくれた ページ41
「だが、龍堂と戦って、自分がやりたい事が見えるようになった」
『……』
「緑谷が気付かせ、お前が導いてくれた…だから礼を言う。
……ありがとう」
轟はしっかりとAを見て、礼をした。
Aは目を見開いたが、ぶつかり合う視線に耐えきれず目を逸らす。
正直、言いたい事だけ言ったつもりだった。
USJで暴走した時にフラッシュバックした時の映像を思い出す。
……自分でも誰かを救えるのだと勘違いしてしまう。
(……落ち着け)
動揺する心に蓋をし、冷静に戻る。
『たいしたことはしていないよ。…それで君はこれからどうするんだ？』
Aは轟に向き直る。
「……俺は母さんを救いたいと思ってる」
『ああ』
「それにオールマイトのようなヒーローになりたいっつう夢も諦めてねぇ」
『うん』
「だからいつか……」
『？』
「俺が両方の力を使いこなせるようになった時、
″あの技″を教えて欲しい」
『…あの技？』
おそらく、轟君との戦いで最後に使った＿＿＿
＿＿＿＿＿
『…アレはかなりコントロールが難しい。それでもやるのか？』
「ああ」
轟の目は本気だった。
『……分かった、約束しよう。楽しみにしている』
こうして二人は約束を交わし、帰路につく。
この約束が果たす時が、″想像以上に″遠い未来になることはまだ誰も知らない＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
帰り道＿＿＿
母さんと無事に再会できたことと、龍堂に今の気持ちを打ち明けられたことへの安著で、体の緊張が解けていく。
(誰かとあれ程話したのは久しぶりだったな)
今まで親父を見返す為に生きていたような轟にとって、思いがけない体験だった。
ふと、試合中に一瞬悲しそうな目をした龍堂を思い出す。
今日改めて話して、それが頭から離れられなくなっていた。
(あいつ…両親は事故で死んだって言ってたな)
一人なのだろうか。
今まで孤独に生きてきたのだろうか。
生きていれば、またやり直せる＿＿＿
あの試合の、あの言葉には、心に響くモノがあった……
おそらく、龍堂は何かを抱えている。
疑問と感情が交錯する。
(俺があいつにできること……)
触れてはいけないと分かっていても
(今はまだ自分の事で手一杯でも、いつか………)
そんな思いを胸に、轟はまた一歩歩みを進めた。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
