第36話 同時に ページ38
キラキラした蒼い結晶が降り注ぐ。
会場が騒然とする中、舞台は静かだった。
Aの翼は、天使のように白く輝いていた。
次第に蒼みを帯び、通常の色へ戻っていく。
「…説明しろや」
『……』
「今日様子がおかしいのも、それが原因なんだろーが」
『っ』
周囲からは分からないように取り繕っているが、
Aは立っているのがやっとの状態だった。
(だが爆豪は既に気づいている……)
これだけ近ければ当然のことかもしれない。
もう話すしかない＿＿＿
Aは、そう思ってしまった。
『分かった。話そう……』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「なんか喋ってんな！！」
「チッ、あいつら何やってんだ……」
二人は距離を保ったまま、主にAが何かを話しているようだ。
しかし……
「ふざけんなてめェ！！」
いきなり爆豪の怒号。
そしてズカズカと距離を詰めると、Aの胸ぐらを掴んだ。
『私にはもう攻撃出来るだけの体力はない。だから降参するよ』
「んなの認めるか！！」
『じゃあどうしろと…』
「同時に外に出ろ！！」
『……え？』
「俺が取りてぇのは完膚無きまでの1位だ！今のてめェに勝っても意味が無ぇ」
状況を掴めきれていないせいか、周囲にざわめきが起こる。
「爆豪のやつ、試合放棄する気か！？」
「いや…多分かっちゃんは全力の龍堂さんと戦いたいはずだから、ここで勝負をつけたくないんだと思う」
「そうか！Aちゃん体調悪そうだったから…」
「じゃあ、1位はどうなるんだ！？」
流石の1-Aにも動揺が走っているようだ。
爆豪は胸ぐらを放し、クルリと振り返ると場外に向かって歩き出す。
本当に決着をつけないつもりらしい。
『はは……』
Aの口から思わず乾いた笑いが漏れる。
(今回は……私の負けかな……)
爆豪が場外に出る前に、Aはスッと手を挙げた。
そして爆豪に聞こえないように……
『降参します』
少量の声ではっきりと発した。
ミッドナイトは一瞬驚いた顔をしたが、
Aを見て、頷く。
「Aさん降参！！よって爆豪くんの勝ち！！」
「…………は」
呆気にとられたような顔で、今更振り返った爆豪。
(…………あぁ、もうダメだ……)
身体の力が抜け、意識が離れていく。
スローモーションのように身体が倒れているのが分かる。
目を閉じる直前…
怒ったような、
悔しそうな、
または泣いているような、
そんな顔をした爆豪が迫ってくるのが見えた。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
