第26話 家族事情 ページ28
『はぁ……はぁ……』
壁に手をつけながら、静かな廊下を歩く。
皆は既に食堂へ向かったようだ。
(くっ…体力回復しないと………ん？)
力の入らない自身に悪態をつきながら歩いていると、その先には……
(爆豪君…何をやっているんだ？)
Aは、会場の出入口の角に立つ爆豪を見つけた。
口から漏れる息を押し殺し、爆豪の近くに向かう。
余程集中しているのか、こちらには気づいていない。
「おい、どうしっ！んぐ……」
言いかけた所で口を塞がれる。
Aがいた事に驚く爆豪。
咄嗟にAの口を押さえたようだ。
しかしすぐに真剣な表情に戻ると、自分の背後を親指で指す。
(……誰かいる…？轟君と…緑谷君？)
Aが状況を理解したことを確認すると、爆豪はゆっくりと手を下ろした。
「俺の親父はエンデヴァー、知ってるだろ」
『！』
轟の父親がエンデヴァーであること。
そして、轟とその家族に起こっていることを知ったA。
Aは昔一度エンデヴァーに会っている。
最初の戦闘訓練の時、″轟″という苗字に聞き覚えがあったのはそのためだ。
「ざっと話したが俺がおまえにつっかかんのは見返す為だ。炎を使う龍堂にも…クソ親父の″個性″なんざなくたって……いや、使わず″一番になる″ことで奴を完全否定する」
静かに聞く爆豪とA。
「僕だって負けらんない。僕を救けてくれた人たちに応える為にも……！僕も君に勝つ！」
「……行くぞ」
『……あ、あぁ』
別方向に歩き出す爆豪。
彼はとても静かだった。
つい返事をしてしまいついていく事になったが、体力が限界でなかなか追いつかず爆豪との距離が離れていく。
「……おい」
『大丈夫だ。先に行っててくれ…』
爆豪はチッと舌打ちすると、Aの元までズカズカと戻ってくる。
そして……
『！』
Aの腹に腕をまわし、そのまま担ぎ上げた。
『お、おいっ！』
「大人しくしてろ」
抗議の声を上げるが一喝され、Aは押し黙る。
『…保健室まで頼む』
動かないことから自分の要求を呑んでくれるのだと理解したAは、一言だけ伝える。
何も言わなかったが、爆豪はその方向へ歩き出していた。
保健室前で降ろされる。
「……やめんじゃねぇぞ」
『？』
「てめぇをブッ飛ばすんはクソナードでも半分野郎でもねえ……オレだ。…分かったらさっさと行け」
『…？ああ…』
爆豪は来た道を戻っていき、Aもそれを見送った後保健室のドアを開けた。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
