第10話 いい人 ページ12
放課後＿＿＿
『んんっ…』
大きく背を伸ばし、身体を起こす。
緑谷君はいない。
「起きたら帰りな」という置き手紙があり、リカバリーガールもいなかった。
「……か…ゃん！」
『？』
学校の入口の方から声が聞こえた気がした。
気になって、個性を使い耳を澄ます。
「人から授かった"個性"なんだ」
間違いない、緑谷君の声だ。
(授かった"個性"って何だ？中学の時、緑谷君は無個性だって聞いた事あるが……話し相手は誰だ？)
もっと聞きたくなり、さらに神経を集中させる。
「だからなんだ！？今日…俺はてめェに負けた！！そんだけだろが！そんだけ……」
爆豪君。
彼の叫びが心の奥まで聞こえてくる。
「こっからだ！！俺は…！！こっから…！！いいか！？俺はここで一番になってやる！！！」
声質的に、たぶん泣いてる。
でもそれは悔しさでも何でもない。
"これから"を生きようともがく、爆豪君の真っ直ぐな言葉。
(すごいな……)
彼が羨ましいと、心のどこかで思っている自分がいた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
次の日。
今日はマスメディアが校門に殺到していた。
といっても、Aはメディアが来るよりも早く登校したので、教室からその光景を見ていたのだが。
「龍堂！」
『切島君に上鳴君、どうした？』
「昨日の凍傷、大丈夫か？」
『ああ、すっかり治ったよ』
「ホッ、良かった！昨日は本当にありがとな！でよ、上鳴が…」
切島が、先程からずっと黙っている上鳴に目を向ける。
「き、昨日はその…悪かった。助けてもらったし…」
『……いや、動けないように拘束していたのは私だ。私の方こそ、すまなかった。無事で良かったよ』
それを聞いて、罰が悪そうにしていた顔がパッと明るくなる。
「超、いい人じゃん…！」
「だーから言ったろ？」
「俺、上鳴電気！よろしくな！」
『あ、ああ…』
テンションの変わりように驚いたが、彼はとても嬉しそうだった。
「急で悪いが、今日は君らに…学級委員長を決めてもらう」
「「「学校っぽいの来たー！！！」」」
皆が一斉に手を上げ始め、騒がしくなる。
ちなみにAは自分がリーダーに向かないと知っているので、立候補していない。
「静粛にしたまえ！！」
ここで場を静めたのは、飯田だ。
自分でも手をそびえ立たせる飯田の案で、投票で決めることになった。
「僕三票ー！！！？」
ということで、
3票の緑谷君が委員長、2票の百が副委員長に決定。
ちなみに私は白紙で出した。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
