【うらたぬき】愛しい白薔薇【となりの坂田。】 (ページ3)

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「坂田、朝だよ」

優しく言ってカーテンを開ける彼女。
僕の大事な大事なお姫様。

僕のことを起こすのは昔から彼女の役目だ。

実は、全然早起きとかは楽勝。
だけど彼女を独り占めできる朝の時間を失いたくなくて、朝が弱い子供の振りをしてきた。

僕の布団を剥ぐ彼女。
寝惚けた振りをして彼女を引っ張り、ベッドに引きずり込む。

「ちょっと坂田…起きてってば」

「…や……」

「やじゃない。起きて」

「やなの……ちゅーしてくれないと起きれない……」

そう言って彼女の唇に自分の唇を近付けてみる。

「む、無理だって……毎朝言ってるでしょ……」

「じゃー寝てるもん」

彼女を抱き締めたまま、布団を深く被る。

「っ…し、仕方ないな……ちゅーするから…絶対起きてよ…？」

「んふふ、やったぁ…♪」

僕は目を瞑って、彼女の唇を待つ。
彼女は息を殺して僕に口付けた。

「は、はい…したからね！早く起きる！」

「はぁい」

ベッドから降りて、服を探す。
その間も彼女は部屋に留まっている。

「ねぇA」

「なに？」

「僕、着替えるんだけど……裸見たいの？えっち」

上半身の服を脱ぎ捨てながら言うと、彼女は顔を真っ赤にして出ていった。

扉越しに叫んで。

「えっちなのはどっちなの！先に行ってるからね！！！」

「はいはーい」

僕は口角が上がるのを抑えられないまま着替え、ダイニングルームへ走った。