006 ページ7
＿＿
__Poker Fake__
船が動き出した。
ぐらりと目が回りそうな感覚に陥るが、少しすれば慣れてしまって、船の中を物色しながら四天王を捜していた。
所々に、四天王のシルエットと思われる幟が掛けてある。
船の中は金や宝石で装飾され、その場に相応しい格好の婦人や紳士でごった返していた。
しばらく船の中を歩き回っていると、入口付近に出来た人溜りから、耳をつんざくような悲鳴が上がった。
入口へ向かうと、若い女から更年期を迎えた程に見えるマダムまで、広い年齢層の女性が何やら騒いでいた。
その多くは顔を赤く染めている。
女達の視線を辿ると、小柄で茶髪の男性が、自分より大きい男を三人連れていた。
小柄で茶髪の男性は、肩に乗っている可愛らしいたぬきをさっと撫で、群れる女を品定めするように一人ずつじっくり見つめた。
札束を持つ男性は、にやにやと面白そうに笑いながらYシャツを第二ボタンまで開けた。
杖を持つ男性は、身に付けた帽子を深く被り、口元以外を隠した。ちらりと見える口元は、三日月を描いていた。
手に余るチップを持った男は、群れる女に紳士に笑いかけ、その中性的な美しい身体を見せ付けた。
茶髪の男性が後ろの三人に指で合図を送る。その合図に頷いた三人を見て、茶髪の男性は迷いなく人混みをすり抜けていく。
茶髪の男性が立ち止まったのは、私の目の前。
男性は私に、キスしてしまいそうな程に近付いて、低い声でこう言った。
「初めましてかな?新しい小鳥チャン…♪」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 742人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 終わってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2020年12月25日 22時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
扇@crew(プロフ) - さえたぬさん» はい！坂田家の友達と二人で参戦しました！ (2019年8月24日 7時) (レス) id: 7b253820d2 (このIDを非表示/違反報告)
さえたぬ(プロフ) - こんばんは！夜分遅くに失礼します。いつも読んでて応援してます！突然、全然関係ない話で申し訳ないのですが、仙台公演参戦してたんですか！？ (2019年8月24日 1時) (レス) id: ef6e3a5fb3 (このIDを非表示/違反報告)
扇@crew(プロフ) - 月夜さん» コメントありがとうございます！これからもいろんな曲の要素を入れていく予定です (2019年8月22日 22時) (レス) id: 7b253820d2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 凄く読んでいて楽しかったです^^ ポーカーフェイクやBeetle Battleの要素も入っていて。応援しています(*´∀`) 更新、頑張ってください^^ (2019年8月22日 21時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：扇@crew | 作成日時：2019年8月19日 22時
