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イ「母さん僕はデルカダール王国に向かうよ。」
貴「…本当にそれでいいの…?」
イ「うん。」
貴「そう…。なら明日の朝に旅立てるように準備をするは…。さぁ、すっかり冷めてしまったけれどもご飯にしましょうか?明日からは中々一緒に食べれなくなってしまうしね」
私は、無理やり話をそらせ、夕食の準備をした。
夕食中はお互いに他愛も無い会話をした。
この愛おしい時間も明日からは無いのかと思うと寂しかったが、今は精一杯この時間を楽しもうと思い、寂しがるのはやめにした。
夕食後イレブンは中々寝付けないのか外に空気を吸いに行った。
私は、イレブンが居なくなったのを確認してからそっと耳元のピアスに触れた。
このピアスは私がまだデルカダール王国で騎士をして居た時に付き合って居た愛しい彼がくれた物だ。
貰ってから彼此20年程経っている今も変わらず私の耳で輝き続けるこのピアスは確か私と、私の弟がソルティコに修行に行く事になり、彼もソルティコに一緒に行くものだと思っていたのだが、彼だけクレイモランに修行に行く事になり、当時の私は彼と離れて修行するのが嫌で自室に引きこもってしまった時だった。
自室に引きこもって3日目に、飲まず食わずで泣き続ける私を心配した彼がこの赤色のピアスをくれたのだ。
彼は私にピアスの入った箱を渡す時「コレは、必ず修行を乗り越えてデルカダール王国に帰って来て、共に王を、民を、国を守る誓いだ!…あとは…離れて居てもずっと好きで居るって言う誓い…」と顔を真っ赤にして言ってくれた。
思い出せば思い出す程彼との記憶が鮮明に思い出されて来て、泣きそうになった。
彼はもう私の事など忘れて、美しい妻を迎えて、可愛い子供達と幸せな家庭を築いているかもしれない…
私は大きなため息を吐いた。
何を今更彼女面しているんだと、彼を先に捨てたのは紛れもなく自分自身だろと…嗚呼…歳はとりたくないもんだ…彼を思い出したぐらいで泣いてしまうなんて…。
そんな事を思っているとイレブンが帰ってきたので、泣いていた事を悟られぬようにイレブンにおやすみを告げた。
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蜜柑 - 紅夜桜様応援と、アドバイスありがとうございます!まだまだ未熟者の私ですがこれからも精一杯頑張りますので、今後ともよろしくお願いします! (2018年3月26日 6時) (レス) id: cb38232fa7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜桜(プロフ) - とても面白いです! ここで1人のファンからもっと楽しめるためのアドバイス! 一文を書いたら2,3行をあけてから次の文章を書くと見やすくなってよりこの小説の魅力が伝わると思いますよっ! 更新頑張ってくださいね! (2018年3月26日 0時) (レス) id: 76ed65e459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年3月20日 18時