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貴方side
ホメロスが、地下牢の最下層から出て行くと、張り詰めていた緊張の糸が切れそれと同時に私の頬には透明な雫が零れ落ちていた。
私は16年間…悪魔の子を育てていた…？
そんな理由ない…イレブンは正真正銘世界を救う勇者だ…。
なら何故…我が弟、我が愛しき人はイレブンを悪魔の子と呼ぶ？
何故…イシの村の罪無き民達を罪人と呼ぶ…？
何故…私は地下牢の最下層に居る…？
何故…？どうして…？
自問自答を繰り返して何の解決策も答えも見つけられず泣く事しか出来ない私は酷く無力だ…。
違う…。私が無力なのは今に始まった事じゃない。
私は元から何の力も持っていなかったのだ。
ただ、無力さを周りの人に隠して貰っていただけだ…。
優しくて、姉想いのグレイグに。
実の子の様に可愛がってくれた、我が主デルカダール王に。
私の言葉を信じて勇者として旅立ってしまった、愛しい息子イレブンに。
素性もわからない私を暖かく迎え入れてくれた、イシの村の民達に。
私の事をよく理解して、時に厳しく、時に優しく甘やかしてくれて、私の事を愛してくれて、私が愛した、ホメロスに。
私は、デルカダール王国随一の双剣の使い手と持て囃される程の人間じゃない…。
私は、戦場に舞い降りた天使なんかじゃない…。
そんな立派な人間じゃない…。
ただ、無力な自分を隠していた臆病者だ。
そんな事を思いながら牢の隅で泣いていると、地下牢に誰か入って来た。
続く (更新停止中)
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蜜柑 - 紅夜桜様応援と、アドバイスありがとうございます！まだまだ未熟者の私ですがこれからも精一杯頑張りますので、今後ともよろしくお願いします！ (2018年3月26日 6時) (
レス) id: cb38232fa7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜桜(プロフ) - とても面白いです！ ここで1人のファンからもっと楽しめるためのアドバイス！ 一文を書いたら2,3行をあけてから次の文章を書くと見やすくなってよりこの小説の魅力が伝わると思いますよっ！ 更新頑張ってくださいね！ (2018年3月26日 0時) (レス) id: 76ed65e459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2018年3月20日 18時
