栞 -ko×ymmt ページ11
ymmt side
ぺら、と渇いた音が響く。
突然、めくった本のページが、荒々しく音を立てた。
「……あ、」
誰か来たのか。
正直、この静寂な空間に人工の音が響きわたるのは少し、うつに思えた。
それくらい、この図書館は静かで、僕にとっての幸せな空間だった。
自動ドアがウィーンと音をたてるのと同時に、隙間から風が入り込んできた。
「……、ひゃ、」
「わ」
すきま風に煽られて、僕の愛用している栞が飛んでいく。しかも、顔も名前も知らない、今図書館に入ってきた人のところへ。
……うん、さいあくだ。申し訳なさすぎる。
「……す、みません」
「や！大丈夫ですよっ」
その人から発された思いの外大きい声に驚いて、その拍子で上がった僕の顔。
ぱちん、と目があった。
「………わ、」
「？…これ、栞どうぞ！」
あわ、っ、
「……っ、」
「？」
「ありがとうございましたさよならっ」
「…え？」
よし言い切った、そのままダッシュで出口へと向かう。
ウィーン、とさっきも聞いた音。
そういえばそういう名前の首都あったなあ、なんて要らない情報が脳裏を掠めた。
「……あぁ、」
俗に言う、胸の高鳴り。
とくとくと鳴る一定のリズムとは程遠い、このつよい音。
さっきのあの人の笑顔がよぎった。
誰彼ともなく見せるんだろうと思った。
屈託のない、晴れやかな笑顔。
………あれを誰にでも魅せれるような人になれたら、僕もあの人に釣り合える人になれるだろうか。
「………変わろ、」
なんて思った４月の終わり。
ますますあの図書館が好きになった。
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鈴音 - 葉璃さんの負担になってないならよかったです！のんびり更新待ってます^^ (2021年2月7日 11時) (
レス) id: 655069ec5f (このIDを非表示/違反報告)
葉璃/Hari. - 鈴音さん» いえ！謝ってもらおうと思い綴った言葉ではございませんので。私がもう少し柔らかく話せば良かったですね。お気遣いありがとうございます。よろしければ、これからもこの作品にお付き合いくださいませ。 (2021年2月2日 23時) (レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - 葉璃/Hari.さん» なんか強制するような感じの文章で、すみません…本当に無理しないで下さい。mーーm (2021年1月31日 11時) (レス) id: 655069ec5f (このIDを非表示/違反報告)
葉璃/Hari. - 鈴音さん» コメントありがとうございます。作者自身執筆するのがとても久しぶりでして、今こうして返信することすら覚束無い状態です。良い作品を書ける自信はありませんが、私の愛するizkmを書けるように尽くします。 (2021年1月31日 1時) (レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - はじめまして、こんにちは！同じく川上さん不足で…orz作者さんの綺麗な構成のお話大好きです！無理のない範囲でリアルも更新も頑張って下さい^^ (2021年1月18日 20時) (レス) id: 655069ec5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉璃/Hari. | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ymkmm/
作成日時：2020年4月20日 0時
