蒼い陽 Aoi_Haru 10

another 10日目 2 ページ17

頭が真っ白になって軽くパニックな状態に陥る






目の前の伊織を見れば大号泣して嗚咽までもが聞こえる





でもその姿や声さえもボヤけるようで







まるでその事実を受け付けようとはしなかった









入所してすぐ、まだ全然馴染めてない自分に、







伊織「一緒に帰ろ！」





そう、なんの屈託もない綺麗な笑顔で言ってくれた伊織





その一言に救われたというか、伊織がそう話しかけてくれなかったらこうして皆と仲良くなることもなかったかもしれへんっていうぐらい






それ程、自分にとって伊織は大切な存在で弟みたいで…









伊織「A君にはさっ、いろんな…こと教わったし、俺が悩んだ時も相談乗ってくれたり。ｳｯ…、ほんまにA君がおったから今の自分がおるよ…っ



今まで…っﾋｯｸ…ほんまにっありがと、っう…ほんまに…ほんまに」








「…嫌や」





伊織「A君…」






「なんで…なんでなん…伊織っ…、」






人の人生をとやかく言う資格などない




でも寂しいものは寂しい





いつから自分の気持ちにこんなにも正直になったのだろうと涙を流し、感じる








伊織「…A君はっ、俺の、一番尊敬する先輩やからっ…だから『頑張って』って言ってほしい…わがままかもやけど、でも次の人生進むために応援してほしい…」








「…ｳｯ…ごめん…っ」





そんなことが言えるほど心の整理がつかず、伊織よりも年上である立場としては情けない態度かもしれないが、その場を去るという手段しかできなかった

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