ヴィランでも、誰かにとっては正義のヒーロー ページ2
壊理 side
Aさんは、優しい。
私の好きなリンゴを使った甘いお菓子を作ってくれたり、包帯のところを摩ってくれる。
どうして悪い人って呼ばれるのか分からないぐらい、Aさんは優しかった。
「どうして、Aさんは悪い人なの？」
『悪いことをしたからだよ。まぁ、それを望んだんだけどね』
「悪い人になりたかったの？」
うーんって言いながら、私の頭を撫でてくれる。
『自由になりたかったの。何にも縛られずに、私は私のままで生きたかった。だから、あえて踏み外した』
真っ黒な穴みたいな目で、Aさんはそう言う。少し怖くて、だけど寂しそうだった。
Aさんがどんな人なのかは、あんまり分からない。私にとっては優しい人だけど、悪い人だから、誰かにとっては、優しくないのかもしれない。
それでも、私は、Aさんに笑ってて欲しい。そう思うのは、おかしなことなのかな。
「Aさん、」
『大丈夫だよ、壊理ちゃん。絶対に君をここから出してあげるからね。後少しだけ待ってて』
そうやってまた綺麗に笑って、私のことを抱きしめてくれる。優しい目に泣きそうになっては、俯いて誤魔化した。
ねぇ、Aさん。
どうしてAさんは悪い人なの。
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霜凪(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます！！ (2月27日 17時) (
レス) id: f1844d219c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すっごい面白いです！！応援してます！！ (2月27日 12時) (レス) id: 5604d22f8c (このIDを非表示/違反報告)
霜凪(プロフ) - ゆずなさん» ありがとうございます！！ (1月15日 22時) (レス) id: f1844d219c (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (1月15日 22時) (レス) @page1 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜凪 | 作成日時：2024年1月15日 17時
