Why？

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思った通り、事務所前にも記者が大勢いる。
また裏口使わなくちゃ…



車を回し、事務所専用の駐車場に停めて早足で社長の元へ。



ｺﾝｺﾝ



「Aです」


社「どうぞ」



社長はCDで音楽を聴いていたようだった。
ずいぶんと今っぽい曲で、社長が聴くのは珍しい。



社「今回あなたにオファーが来たのは化粧品よ。I.D.Sは知ってるわね？」



もちろん知っている。
“ カッコよく生きる女の道標 ” というキャッチコピーが話題のブランド。



社「それを、2人の男性と2人の女性でそれぞれアイテムごとに撮るの。あなたはその中の一人」



へー…4人出るんだ。
男性はエキストラを雇うのかな？



社「男性はね、ジャニーズWESTといグループから2人出るみたい。誰かっていうのはまだなんだけど」



ジャ、ジャニーズWESTって…今日の…



社「これもその方たちの曲なの。聴いてみる？」



ジャケット写真に映るのはまさしく、今日見た何名かの人たち。



運命の悪戯すぎる。



「…いえ、結構です」



別に嫌とか嫌いとかではない。
ただあたしとは合わないと思うだけで。



その日は複雑な気持ちで帰った。

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