Why？

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ボーッと床を見つめていると、そこにあいつの顔が浮かんできた。
まだ、幸せで、たくさん笑っていた頃の笑顔。



((芸能人と一般人なんて…無理だったんだよ))



さよならはなく、背を向けて行ってしまった。
もう忘れなきゃいけないのに……



『Aさん！握手してください！』



目の前に映った黒い肌にふと現実に戻された。
ニカっと笑う、田舎にいそうな優しいおじちゃんを連想させるその人。



藤「やめときーや初対面で笑 困ってはるやろ？」



こちらは文句なしの所謂イケメン。
背も高い、細い、イケメン。



『えーやん！俺just girlの予告見てあなたのファンなりました、握手お願いします！』


「あぁ…はい」



そっと手を重ねる。
痛いぐらい握られて、少し顔を歪めたかも…
ダメね。プロ意識が足りてない。



『俺らジャニーズWESTっていうんですけど知ってます？俺が桐山照史でこっちが藤井流星です』


「あたしあまりテレビ見なくて…」



自分の出ているものもほとんど見ない。
作ってるなって感じるだけで、芸能人としてのあたしは好きじゃなかった。



『ほんますか、勿体ないー…』


藤「そろそろ戻らんと濱ちゃんと望が怒るで、喉渇いた！って」



流星さんがツンツンと照史さんの服を引っ張る。
よかったもう一人になれると思った、時。



『俺Aさんと喋りたいから流星先帰っとって』

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